Amazon(アマゾン)は米国時間12月15日、顧客がカスタムウェアを作ることができるMade for Youという新しいサービスを立ち上げる。このサービスでは正確な寸法のカスタムTシャツを作ることができる。しかしアプリで身体をスキャンしてサイズを測定するのにモバイルテクノロジーを活用している他の企業と異なり、Amazon FashionのMade for Youサービスではカスタムフィットのための測定材料としてユーザーが身長、体重、ボディスタイルそして写真2枚を提供する。
データを提供すると、ユーザーは8通りの配色のセレクション、好みの袖とシャツの長さ、ネックライン、ファブリックを選ぶことができる。
Made for Youを利用するにあたり、ユーザーはデザインをカスタマイズするのにまず2種類のファブリックのどちらかを選ぶ。普通重量の100%ピマコットンシャツか、軽量の3種混合(56%ピマコットン、38%モダール、6%ポリウレタン)シャツだ。その後スリム、クラシック、リラックスからフィット感を選び、クルーネックあるいはVネック、半袖あるいは長袖かを決める。
おまけとしてシャツのラベルに名前をプリントすることもできる。
カスタマイズが終わると、ユーザーは発注する前に仮想ボディに着せた状態でカスタマイズしたプロダクトを閲覧できる。このカスタマイズはウェブ、Amazonアプリどちらでもできる。
カスタムシャツの値段は25ドル(約2600円)で、プライム会員だけでなく全米のアマゾン顧客が利用できる。
立ち上げにあたり、Blake Scott氏(ブレイク・スコット、Instagramフォロワー65万人)氏、Caralyn Mirand(キャラリン・ミランド、Instagramフォロワー25万3000人)氏、Sai de Silva(サイ・デ・シルヴァ、Instagramフォロワー33万人)氏らを含むインフルエンサーがアマゾンに代わって新機能を宣伝しており、同社のマーケティングで特集されている。
カスタム服はよく贅沢なものとして考えられているが、アマゾンのプロセスは手ごろなものにする。既存のサイズでは収まらないためにフィット感に悩んでいる人にとってはありがたいだろう。しかしこのサービスは同時に、Amazon Fashion事業のための顧客データを収集するための試みであることは明白だ。
しかしながらアマゾンはMade for Youを、現在展開しているオンラインショッピングの障壁をなくす取り組みの一環と位置付けている。その障壁とは今回の場合、サイズとフィット感だ。これまで同社は顧客からのフィードバックに基づいてMade for Youにより多くのスタイルとセレクションを加えたいと話している。
アマゾンは、ユーザーがスタイリングの選択肢を評価するのに役立つEcho Lookカメラで実験をするなど、何年もファッション事業に注力してきた。そしていま同社はファッションインスピレーションのための画像を「Style by Alexa」に送ったり、売上に繋げたりするのにソーシャル機能#FoundItOnAmazonからのデータを使っている。Prime Wardrobeとオプションのスタイリングサービスで、アマゾンは顧客がどんなものを着たいのかを学習し、アイテムを数回に分けて自宅で試着できるようにすることでショッピングのプロセスを自動化しようとしている。
アマゾンはAmazon Fashion事業のために収集したデータを衣服のカスタマイズ以外に使うかどうか説明しなかったが、データは安全に保管され、顧客はMade for Youホームページの上部左側にあるプロフィールのアイコンをタップしてデータをいつでも削除できると述べた。同社はまた、アップロードされた写真は保存されず、バーチャル替え玉を作って測定値を決定するのに使った後はすぐさま削除されるとも話している。
アマゾンのこうした取り組みの最終目標は、オンラインでのアパレルショッピングを向上させることであり、これは他のエリアでも応用できる可能性がある。たとえばアパレルで何十ものプライベートレーベルを構築するのに使えるかもしれない。顧客の実際のサイズにデータを加えることで、ベストなフィット感のためにどのように服をカットするかを学習することもできるかもしれない。また、後に顧客が正しいサイズを写真から選ぶのをサポートすえるシステムに取り組むことも考えられる。
Made for Youはウェブとモバイルで12月15日から米国で利用できる。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazon、ファッション、ネットショッピング
画像クレジット:Caralyn Mirand
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(翻訳:Mizoguchi)