【特集】GP AWARD 2020
2020年の前半は旅行などのレジャーが難しくなったことで、カメラ市場にとっては厳しい時期だったが、新製品はレベルの高いモデルが続々と登場。新たなスタイルの提案などもあり、今後注目したい製品が顔を揃えた。
■ミラーレスを中心に動画人気を受けた新機軸も登場
3眼や4眼も珍しくないほどスマホのカメラが高機能化する一方で、ミラーレス一眼をはじめとするデジカメは、高性能と小型サイズを高水準で両立させるモデルが増えている。中でもキヤノン「EOS R5」は「プロカメラマン待望の1台」と、写真家の大浦タケシさんは高く評価する。
「キヤノンの本気を感じさせるフルサイズミラーレスで、新開発センサーの画質だけでなく、一眼レフにかなり近い操作系を採用したところもいいですね。全体の作りもプロユースで満足できるレベルだと思います」
ミラーレスでは、他にもコンパクトながら上位機と同様の技術を採用するモデルが登場。使い勝手も画質も満足できる完成度の高いカメラが人気だ。撮影機器の1ジャンルとしてすっかり定着したドローンも、高画質化と操作性の向上が進んでいる。
また、昨今の動画人気を受けた新機軸モデルもお目見えした。
「YouTubeなどを意識した動画ログ機能を充実させたモデルが出てきました。今年は自宅でYouTuberデビューする人も増えたので、今後このジャンルは注目されそうです」
完成度の高さと新たな提案が目を引いた年のカメラ市場。五輪を控える年もハイレベルな製品が登場しそうだ。
カメラ誌やWeb媒体等で多くのレビュー記事などを執筆するカメラマン。フィルムカメラから最新デジタルカメラ、ドローンまで、興味の対象は幅広い。2006年よりカメラグランプリ外部選考委員を務めている
■スチールカメラ
1. 高精細・高速連写・8K動画で表現の幅を広げるフルサイズミラーレス
キヤノン
「EOS R5」(実勢価格:46万円前後)
性能と操作性のバランスがよく、完成度の高さが光る1台。特に背面の操作系を一眼レフモデルに近づけたことは、プロ待望の改良だと思います(大浦さん)
専用に開発されたフルサイズCMOSセンサーを搭載するミラーレス機。イメージセンサーと映像エンジンの高速処理によって、メカシャッターで最高約12コマ/秒、電子シャッターで最高約20コマ/秒の連続撮影を実現。8K30Pや4K120Pでの動画撮影機能も備える。
2. ミラーレスを身近にするコンパクトボディと軽快な操作性
富士フイルム
「ミラーレスデジタルカメラ X-S10」(実勢価格:13万円前後)
小型サイズですが、撮像素子や映像エンジンなどキ ーデバイスは上位機X-T4と同等。強力なセンサーシフト式手ブレ補正機構も備えています(大浦さん)
ボディ内手ブレ補正機構を内蔵する小型ミラーレス。有効約2610万画素のAPS-Cセンサーを搭載。大型グリップやバリアングル液晶を備え、快適に撮影できる。多彩な表現を楽しめる18種のフィルムシミュレーションや4K/30Pなど動画撮影機能も搭載。
3. フルサイズの極限に挑む小型化で新たなスタイルを提案
ソニー
「α7C ILCE-7C」(実勢価格:21万円前後)
フルサイズの画質をより身近にしてくれる小型モデル。レンジファインダーカメラのような天面がフラットでシンプルな形状を好む人も多いですね(大浦さん)
フルサイズ機の撮影性能を小型軽量ボディに凝縮したミラーレスモデル。有効約2420万画素のCMOSセンサーを採用する。光学式5軸手ブレ補正機構やAIを活用した高精度AF、最高約10コマ/秒のAF/AE追従高速連写など撮影機能も充実。
■Vlogカメラ
4. 家でも屋外でも役立つ動画ログ向け機能が充実
ソニー
「VLOGCAM ZV-1」(実勢価格:9万円前後)
シンプルな操作やウインドスクリーンを同梱するなど、動画撮影を手軽に楽しめる工夫が満載されています。ブラックとホワイトの2色を用意して女性も意識しているようです」(大浦さん)
Vlog用途に特化した機能や操作性が特徴のコンパクトカメラ。有効約2010万画素の1型CMOSセンサーと24-70mm相当のズームレンズを搭載。 動画は4K/30PやFHD/60iに加え、HD解像度 /240fpsでの撮影も可能だ。
5. 動画ログ機能も充実した小型ミラーレス
パナソニック
「LUMIX DC-G100K」(実勢価格:10万円前後)
動画も積極的に楽しみたい人向け。5軸手ブレ補正機構やスロー&クイック動画撮影機能を搭載し、音声もクリアに記録できます(大浦さん)
本体重量約303gの小型ミラーレス機。音声記録を5つの指向性モードから選べたりスロー&クイック動画を素早く撮れたりと、Vlog機能が充実。有効約2030万画素の4/3型Live MOSセンサーを搭載。12-32mm相当のレンズを同梱する。
■ドローン
6. 高精細センサーを搭載し撮影の安定感もアップ
DJI
「Mavic Air 2」(10万5600円)
従来より高画質になっただけでなく飛行安定性も高まり、より使いやすくなりました。プロポのスマホ固定位置を上に変更されたことも注目です(大浦さん)
最大4800万画素の1/2型CMOSセンサーを搭載し、4K UHD動画やFHD 240fpsのハイスピード動画も撮影できる高性能ドローン。静止画は最高7コマ/秒の連写やHDRパノラマ撮影にも対応。最大68km/hの高速飛行も可能だ。
※2020年12月6日発売「GoodsPress」1.2月合併号掲載記事をもとに構成しています
<取材・文/高橋智>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/341655/
- Source:&GP
- Author:&GP