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どんな強風でも絶対に湯を沸かすMSR「ウインドバーナー」【GP AWARD 2020】

【特集】GP AWARD 2020

★SPECIAL AWARD★
<アウトドア部門>
MSR「ウインドバーナーパーソナルストーブシステム」

折からのキャンプブームの到来を受けて、数多くの新ギアが登場した今年のアウトドアシーンだが、今年一番となると、やはりアルティメットな状況でもしっかり性能を発揮できる、山男が頼れる道具に軍配が上がる。かつてない性能と信頼性、これこそが古今東西を見渡してもフィールドに持って行こうと思えるアウトドアらしいギアなのだ。

 

■驚異の防風性がもたらす効果は絶大!

ここ数年続くキャンプブームにより、今年も盛り上がりを見せるかと思われたアウトドアシーンも、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言と外出自粛によりひと息ついた形に。

ブームも終わったかと思われたが、外出自粛中には自宅で行えるベランピングや庭キャンプが注目を集め、移動制限が緩和された頃からは昨年以上ともいえるブームが訪れている。

アウトドアメーカーからは、今年も数多くの新製品を発売されたのだが、その中からアウトドアコーディネーターの牛田浩一さんが今年イチとして挙げたのがMSRの「ウインドバーナーパーソナルストーブシステム」だ。登山向けギアを長年手掛け、世界中のアルピニストから信頼されるアメリカの老舗メーカーが発売したこのバーナー、いったい何がすごいのだろうか。

「圧倒的に風に強い。これに尽きますね」

牛田さんが強調するのが耐風性だ。フィールドで風は火の大敵。少しの風でも炎は流れ、効率が悪くなってしまう。

「風に強いということは、計算できるということなんです。アウトドア用のバーナーは強風が吹くと途端に沸かなくなってしまう。そうなると風防が必要になります。でもそれって荷物が増えるってことですよね。一方『ウインドバーナー』は、強風の中でも約分半でお湯を沸かせる。これは、1回の湯沸かしで必要な燃料の量が分かるということを意味します。これが計算できるということは、登山の際、何回お湯を沸かすか考えれば、持っていくガスカートリッジの大きさや数が決められます。結果、余計な荷物を持っていかなくて済む。少しでも荷物を減らしたり軽くしたりしたい登山でこれは大きい」

山でのお湯は、冷えた体を温め、温かい食事を作れる貴重な存在だ。そんなお湯をどんな環境下でも確実に作ってくれる。この機能性こそが、長年アルピニストを支えてきたMSR“らしさ”と言えるのかもしれない。

「MSRの名作ガソリンストーブの “1分でも1秒でも早く雪をお湯に変える”という思想が『ウインドバーナー』のベースになっているんだと思います」

しかも安全性も申し分ない。なぜなら、世界で最も厳しいと言われる日本のガス機器検査を合格し国内発売に至っているからだ。

そもそもアウトドアギアは何もないところで使うために作られた道具だ。極限の状態でもしっかり与えられた役割を発揮する信頼性が求められる。そして安全に使えることも重要だ。これらの観点から見ても「ウインドバーナー」は今年を代表するに相応しいスペシャルギアと言えるだろう。

アウトドアコーディネーター・牛田浩一さん
株式会社B.O.W代表。アウトドアブランドのPRやマーケティング、撮影コーディネート、イベント運営まで行う「アウトドアの何でも屋」。1年の1/3はフィールドにいる

 

■1分1秒でも早く雪をお湯に変える!

MSR
「ウインドバーナーパーソナルストーブシステム」(2万8600円)

専用ポットでバーナー部分を覆うことにより、熱を無駄なくポットに伝えられる超高効率を実現したアウトドア向けバーナーシステム。ポットは容量1リットルあり、1~2人用として最適。収納時のサイズは11.5×10.7×18.1cm、465g(燃料を除く)。

 

▼燃料含め全てまとめてキレイに収納できる

▲ポット、バーナー、フタ、三脚といくつものパーツで構成されているが、それらとガスカートリッジ「イソプロ110」をまとめてポット内に収納できるよう計算されて作られている

▲余計な凹凸のない収納状態は、パッキングもしやすい。これひとつ持っていけばなんとかなるという安心感は大きい

 

▼風に強く効率良く熱するメッシュ状の火口

▲一般的なシングルバーナーとは異なり、面積の広いメッシュ状の火口になっている。火を点けると徐々に赤くなっていき、メッシュ部分全体から炎が上がる。この炎がポット下部に付いている扇風機の羽のようなヒートエクスチェンジャーに当たり超高効率で熱を水に伝える仕組みになっている

 

▼800mlの水をわずか3分26秒で沸かせた!

▲気温20℃の中、推奨より多めとなる800mlの水をどのぐらいの時間で沸かせるか試してみた(沸騰させる場合の推奨水量は600ml)。ポットの容量は最大1リットルだが、沸騰させた場合、フタをしていても穴からお湯が吹き出す可能性があるため、600ml以下の水量にしておこう

▲着火装置が付いていないので、ライターなどを使用して着火する。最初は青い炎が出て、徐々に赤くなる。火が点いているかはインジケーターワイヤーで確認できる。火口周囲の風防部分にポットをはめるので、風の影響を一切受けない。これが早沸きの最大の武器となっている

▲プラスチック製のフタをポットに取り付けて、バーナーにはめれば湯沸かしスタート。結果は3分26秒。あっという間に沸騰までいった。このスピードを山でも実現できるのはたしかに助かる。ポットにはカバーが付いているので、沸騰したお湯が入っていても問題なく持てる

 

▼専用缶を使って効率&出力アップ!

▲イソブタン80%と低温でも気化しやすいプロパン20%を混合した専用ガスカートリッジが、寒冷地でもバーナーの性能をしっかり引き出してくれる。容量110gの「イソプロ110」と226gの「イソプロ227」の2種類があり、ポット内に収められるのは110サイズの方になる

>> 【特集】GP AWARD 2020

※2020年12月6日発売「GoodsPress」1.2月合併号掲載記事をもとに構成しています

<文/円道秀和 写真/田口陽介>

 

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