日本の宇宙開発スタートアップであるAstroscale(アストロスケール)は、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地にELSA-d宇宙船を輸送し、2021年3月の打ち上げ(未訳記事)に向けてソユーズロケットに搭載する予定だ。このミッションはアストロスケールにとって特に重要なものであり、同社が提案している宇宙持続可能性サービス事業の基礎となるスペースデブリの除去技術を、初めて宇宙空間で実証することになる。
アストロスケールによるELSA-dは、軌道上のスペースデブリ除去に関する同社のビジョンを可能にする2つの主要な技術を実証する小型衛星ミッションだ。1つ目はGPSやレーザー測位技術を含む測位センサーを使用し、スペースデブリの位置を特定してドッキングするというものとなる。今回はいわゆる「捕獲機(サービサー)」衛星が、デブリの代わりになる同時に打ち上げられた「ターゲット」衛星を見つけて接続する。
アストロスケールはミッションの最中に何度も「サービサー」による「ターゲット」とのドッキングとリリースを行い、宇宙空間を漂う物体を識別して捕捉し、制御軌道へと離脱する技術を示そうと考えている。これにより、同社のビジネスモデルにおける技術の実現可能性を証明し、将来の商業運用に向けての準備することになる。
アストロスケールは2020年10月に5100万ドル(約52億8000万円)を調達したと発表しており、これまでの調達額は1億9100万ドル(約197億8000万円)となっている。また6月にはEffective Space SolutionsのスタッフとIPを取得(未訳記事)しており、ELSA-d宇宙船が実証するLEO事業に加えて、静止衛星サービス部門を構築するために使用する予定だ。
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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)