チャレンジャーバンクという言葉を耳にしたことはあるだろうか?今度はチェレンジャーエネルギーサプライヤーの登場だ。英国のOctopus Energy(オクトパス・エナジー)は、合弁会社の立ち上げに向けて、9.7%の株式と引き換えに東京ガスから1億5000万ポンド(約208億円)の出資を受けた。この結果同社の評価額は15億ポンド(約2082億円)となった。合弁会社の株式の30%はOctopusが保有し、過半数を東京ガスが保有する。これまでの5年間の運営を経て、Octopusは、British Gas(ブリティッシュ・ガス)のオーナー企業であるCentrica(セントリカ)の評価額に近づいている。
Octopusは、革新的なAIとデータベースのプラットフォームを使ってグリッド周りの負荷をバランスさせる100%再生可能電力運用をトレードマークに、日本でのブランドをスタートする。同社のソフトウェアであるKraken(クラーケン)は、Origin Energy(オリジン・エナジー)、nPower(エヌパワー)、E.On(イーオン)、Good Energy(グッド・エナジー)、Hanwha Corporation(ハンファ・コーポレーション)などにもライセンスされており、世界中で1700万のエネルギーアカウントにサービスを提供している。
「この合弁会社は、当社の再生可能エネルギーと技術に関するエキサイティングなアプローチを、世界最大の競争の激しいエネルギー市場に持ち込みます。また今回の投資は、世界的なエネルギー革命を起こすという当社の使命をさらに加速するものです」とOctopus CEOのGreg Jackson(グレッグ・ジャクソン)氏は声明の中で語っている。
オーストラリアのOrigin Energyもまた、2020年4月に株式の20%を購入した際の大きな投資に続き、Octopusの3700万ポンド(約51億4000万円)分の株式を購入する。
Octopusは2027年までに全世界で1億人の顧客を目指す意志を表明しており、最近では米国、オーストラリア、ドイツ、ニュージーランドでもサービスを開始している。
同社によれば、英国では、Octopusはエネルギー供給市場で5%のシェアを持ち、小売ポートフォリオには180万世帯が含まれているという。
東京ガスの内田高史社長は「本提携を通じて、お客さま1人ひとりに合わせて価値を創出・提供し、お客さまの豊かな暮らしに貢献してまいります」と述べている。
日本の再生可能エネルギーの普及は英国の半分ほどであり(2019年時点での電力に占める日本の再生可能エネルギーは18.9%なのに対し、英国では37.9%)、成長の可能性は大きい。日本の菅義偉首相は、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという目標を掲げている。
また、英国においてOctopusは、電気自動車のローミングネットワークElectric Juice(エレクトリック・ジュース)を立ち上げ、Tesla(テスラ)と提携してTesla Power(テスラ・パワー)を立ち上げている。
【参考】東京ガスプレスリリースをここで確認できる。
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カテゴリー:EnviroTech
タグ:Octopus Energy、東京ガス、再生可能エネルギー、電力網、資金調達
画像クレジット:Octopus
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(翻訳:sako)