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digglueが大林組推進の建設業界におけるブロックチェーン活用実証実験を支援

ブロックチェーンやAI、IoTを活用したDXを支援するdigglueは12月24日、大林組の建設現場で利用しているコンクリート受入管理システムの検査データを、ブロックチェーン上に記録するシステム(検査履歴管理システム)を開発したと発表した。同取り組みは、大林組が推進する建設業界でのブロックチェーン活用に向けた実証実験のひとつとして位置づけている。

近年、安全意識や環境意識の向上に伴い、他産業でトレーサビリティの取り組みが増えるなか、建設業では施工プロセスのさらなる透明性の確保が課題となっているという。大林組では、今までも改ざんを防止・検知する機能をコンクリート受入検査システムに実装していたものの、システムの脆弱性を突かれ外部からの攻撃によりデータを改ざんされるリスクがあった。そのため、新たにブロックチェーンの仕組みを利用し、建設現場での検査データの信ぴょう性をさらに高める取り組みに着手したとしている。

今回開発した検査履歴管理システムでは、建設現場のコンクリートを受け入れる際に、コンクリート受入検査システムの測定値や写真などの検査データを記録するとともに、検査履歴管理システムのデータベースへのアップロードを行う。この時同時に、データのハッシュ値をブロックチェーンに書き込みも実施する。

ここで、コンクリート受入検査システムのデータから再作成したハッシュ値とブロックチェーン上のハッシュ値を突合し、一致すれば改ざんがないことを証明できることになる。

一方、一致しなかった場合には、検査履歴管理システム上に記録された変更履歴とブロックチェーン上のハッシュ値を照らし合わせることで、改ざんが発生したタイミングを追跡することが可能となり、検査履歴の透明性の向上が期待できる。

検査履歴管理システム画面イメージ(信ぴょう性確認時)

今回の実証実験では、コンクリート受入検査システムを対象とした検査履歴管理システムの有効性が確認され、今後は建設現場内の様々なシステムのブロックチェーンとの連携も検討していくという。

また建設業界のブロックチェーン活用は、品質検査以外にも、複数社間をまたいだ取引情報のデジタル化に対しても期待できるとしている。digglueでは、同システム開発と並行し、大林組による、協力会社との取引における納品や返却などの情報の共有化・突合作業の簡素化など、現場業務の平準化を目指したブロックチェーンの活用検討も支援。今後も建設業界のデジタル化や業務変革をさらに進める取り組みを推進していく。

digglueは、「価値を発掘し、障壁を無くす」をミッションに、主に製造業に対して、ブロックチェーンやAI、IoTを活用したDXを支援。コンサルティングやシステム開発をはじめ、ブロックチェーンの活用事例やBaaS(Blockchain as a Service)の選び方を発信するメディア「BaaS info!!」を運営。ブロックチェーンの基本を学びたい方を対象にした無料のオンライン学習サービス「EnterChain」も提供している。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:大林組建設 / 建築(用語)digglue日本(国・地域)

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