Allan Jones(アラン・ジョーンズ)氏の最初のスタートアップは、サンタモニカを拠点とするスタートアップスタジオ・アクセラレーターのScienceが支援した、Trunk Clubのようなバーチャル・パーソナルショッパーサービス、Fourth and Grandだった。
その事業は成功しなかったが、おかげで駆け出しの若い起業家(そして大学中退者)だった彼は、ロサンゼルスを拠点とするスタートアップBambeeを立ち上げる道に進んだ。同社は、小企業でも大企業と同じような人事サービスを従業員に提供することを可能にする会社だ。
BambeeがZenefitsなど人事サービスを提供しようとしている他の企業と異なる点は、雇用主だけでなく従業員のニーズにも焦点を当てているところだ。多くのツールは、雇用主の視点から採用、人材管理、福利厚生管理に重点を置いている。Bambeeは、それを取り巻くビジネスプロセスではなく、人事のソフトでヒューマンな側面を扱っていると自負している。
ジョーンズ氏は、カリフォルニア州アップランドで地元のミニマーケットを経営していた父親が、恨みを持った従業員から不当解雇訴訟を起こされ対処せねばならなかった経験から、このビジネスのインスピレーションを得たという。
「(アメリカ)全国すべての中小企業は、人事の専門家にアクセスできるべきです」とジョーンズ氏は語る。「子供の頃、私の父は小さなミニマーケットを所有していましたが、不当解雇で訴えられ、彼は、私の大学のために貯めた教育資金に手をつけざるを得ませんでした」。
DocstocやZipRecruiterを含むLAのスタートアップと仕事をする中で、ジョーンズ氏は父親の雇用主としての状況で目の当たりにした不安定さが、従業員にも及んでいることに気づいた。「脆弱性は双方に存在していました」とジョーンズ氏は言う。
WeWork、Uber、Zenefits、あるいはAwayのようなスタートアップの従業員の状況を見れば、企業の存在の初期段階での人事管理の不足が、後になってより大きな問題に雪だるま式に発展する可能性があるのは一目瞭然だ。
「これは560万社の企業に蔓延している問題です。一旦そのことに… そして(既存の)解決策がないことに気がついたら… 正気のさたじゃないとしか思えませんでした」とジョーンズ氏は語った。
ジョーンズ氏によれば、Bambeeなら、フルタイムの人事の専門家が提供するサービスの80%をはるかに小さなコストで提供できるという。
Bambeeは月額99ドル(約1万300円)で、クライアントに専任の人事マネージャーを提供し、適切な人事ポリシーの作成と実施、アプリでの電子署名の収集、複雑なコンプライアンスの規制の世界をナビゲートすることができると同社は述べている。これらのマネージャーは、社内調査、採用、新人研修、一時解雇、職場復帰手続きの実施などを指揮できるとのこと。
人事の専門家は、管理職の不祥事が全社的な問題に発展しないようにするだけでなく、情報の源泉となることもある。また、従業員を一時解雇する方法、スタッフを再雇用する方法、両方の状況に対応する方法などの情報も提供できる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックへの対応では、これらの情報は非常に重要になった。
そのため、Stojo Projects、Knife Aid、Hank’s Bagelsなどの企業が同社のサービスを利用している。Bambeeは全国に彼らと同じような顧客を約1万社抱えており、現在までに3200万ドル(約33.2億円)を調達している。10月には、QED Investorsが主導する1500万ドル(約15.5億円)のラウンドを終了し、AlphaEdisonを含む以前の投資家も参加している。
ジョーンズ氏は、成長の余地はたくさんあると考えている。いったん同社が実際に人材を管理するソフトサービスを導入すれば、従業員の福利厚生管理や給与など、よりコモディティ化されたツールも簡単に導入できるようになる。他の金融商品も、バックエンドから提供できるようになるかもしれません、とジョーンズ氏は語った。
「私が実現したいことの一つは、雇用主と雇用者の関係をより公平にすることです」とジョーン氏は言う。「基本的なことから始めて、関係をより良く定義する必要があります。蔓延する問題として、雇用主と従業員の世界で、両者の関係がいかに定義されておらず、軽視されているかを目の当たりにしてきました。信頼関係が構築される人事サービスの要素… これらの企業ができることを、どれだけ拡げることができるでしょうか?」。
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カテゴリー:HRテック
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(翻訳:Nakazato)