2020年全体を通じて見てきたM&Aのあわただしいサイクルが今月も続いている。今度はVista Equity Partnersが35億ドル (約36000億円)でPluralsightを買収すると発表した。
1株あたりでは20.26ドルになる。同社の株は米国時間12月11日に18.50ドルで終わり、時価総額は27億ドル(約28000億円)を超えた。
Pluralsighの買収により、Vistaはデベロッパーやオペレーション、データ、セキュリティなど企業のITプロフェッショナルを一連のオンラインコースで教育する環境を手に入れる。新型コロナウイルスの感染が蔓延してる状態では、それはEdTechに新しい息を吹き込むものだが、もっと以前からITのプロたちをオンラインでスキルアップするサービスの市場はあった。
Vista Flagship Fundの共同経営者でVistaの専務取締役であるMonti Saroya(モンティ・サロヤ)氏も、このトレンドからは逃げられなかったに違いない。同氏は声明で 「私たちは、優れたスキルを持つソフトウェアエンジニアの需要が一貫して供給を上回っていることを目の前で見てきました。今後あらゆる産業とコミュニケーションが、オンラインとオフラインのハイブリッドの世界へ移行していくに伴い、このトレンドは持続するでしょう。そして企業のリーダーは、ビジネスの成功のためにはテクノロジーのイノベーションが不可欠と認めるでしょう」。
買収される側の企業がよく言うように、PluralsightのCEOであるAaron Skonnard(アーロン・スコナード)氏も「会社がもっと迅速に成長するための道筋だ」と説明する。同氏は「エンタープライズソフトウェアのトップ企業の集まりから成るVistaのグローバルなエコシステムが、私たちに重要なリソースと業界知識を提供し、それが弊社の成長の扉を開き、活力をもたらします。Vistaのエンタープライズの力を借りて弊社の市場でトップの地位を強化できることに、今からわくわくしています」。
2017年のTechCrunchのSarah Buhr(サラ・ビューア)のインタビューでスコナード氏は同社を「エンタープライズ向けSaaSによる学習プラットホームだ」と説明している。それは単なるコースではなく、デベロッパーやITのオペレーションなどなどのカテゴリー別に、同じカテゴリーにいる他者との、スキルや能力の差を測定して数量化する。同氏によると、この評価機能こそが同社の大きな差別化要因だと。
そのインタビューで同氏は、「私たちの究極の目標は、テクノロジーのスキルギャップを全世界的になくすことです」で話していた。
2004年創業のPluralsightは、1億9000万ドル(約k196億円)あまりを調達し、その後2018年に上場(未訳記事)。現在の社員数は1700名で、1万7000社以上の顧客がいる。買収は例によって規制当局のチェックが入るが、来年前半には完了すると予想される。その後同社は、再び非上場になる。
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画像クレジット: Pluralsight