建物の建設に要する時間は、フロアのコンクリートが十分な強度に成熟したかどうかに依存する。これを確認するために、従来は期間を要する事前テストが必須だった。このほどパデュー大学の研究者は、現場でリアルタイムにコンクリートの強度を測定できるセンサーを開発した。
同センサー活用により、建設のスピードアップを図りつつ安全性を高めることが可能。コンクリート建築の建設コストを削減し、品質の向上も見込める。
オンサイトでコンクリートの成熟度を確認できる
従来のコンクリート建築では、事前にオフサイトでの精密なテスト必要だった。テストでは、特定の温度と時間の経過に伴うコンクリート強度の変化をグラフで示す。「成熟度曲線」と呼ばれるグラフ上の強度値は、コンクリートが建設を進めるのに十分な強度になる時期の推定に役立つ。一連のテストには1カ月もの期間を要するとのこと。天候やスケジュールの変更に伴って、コンクリートのミックス構成を変更する際は、再度成熟度曲線を作成する必要がある。
研究者が開発した技術は、建設業者がオンサイトでコンクリートの成熟度を確認できて、こうしたオフサイトでのテストを省くことが可能だ。
音波で強度を測定
研究者が開発したセンサーは、その場でコンクリートの強度を測定できて、事前に成熟度曲線を作成する必要がない。
コンクリートに音波を送ることで強度を直接測定。コンクリートが特定の音波にどのように反応するかによって、強度と剛性を見るようだ。さらには、コンクリートの微細構造に関する詳細な情報も得ることができるとのこと。
研究者らは現在、建設業者と協力して、時間、コスト、人数の面でどの程度の節約が可能になるかを調査している。また、フロアに設置された従来の商用センサーとの性能を比較し、安全性と品質の向上を目指しているようだ。
- Original:https://techable.jp/archives/145356
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji