Appleの定める労働基準に違反するサプライヤーが発見されたとしても、サプライチェーンから排除するのに少なくとも数年かかる、とサブスクリプションメディアThe Informationが伝えています。
児童労働を行っていたサプライヤーを排除するのに3年
今から7年前、MacBookのコンピュータ部品のほとんどを供給していたAppleサプライヤーの工場で、2人の15歳の青少年が雇用されていたことが発覚しました。Appleは製造業者のSuyin Electronicsに、16歳以下の人々が雇用されないよう従業員の採用選考を向上させなければ、サプライヤー契約を打ち切る、と述べたとされています。
Suyin Electronicsは採用選考の厳格化を誓ったものの、その3カ月後に14歳の青少年を含む3人の未成年従業員が雇用されていたことが明らかになりました。Appleは同社をサプライチェーンから排除すると約束したものの、実際にビジネス契約を断ち切るまでに3年を要した、とThe Informationが報じています。その間、Suyin Electronicsは旧MacBookモデルのHDMIやUSB、その他のポートを製造し続けていました。
代わりのサプライヤーを見つけるのはそう簡単ではない
Appleの定める基準に違反したサプライヤーをすぐさま排除するのはそう容易ではない、とThe Informationは続けています。同じ業務を行うことができる別のサプライヤー探すのは難しく、新しいサプライヤーがAppleの求める品質と量の水準に達するまで数年を要することもあるからです。Suyin Electronicsの場合、Appleの調達部が遅延とコスト高を憂慮したため、突然の発注先の変更に乗り気でなかった、と元従業員は語っています。
The Informationが、パートナー製造業者による労働、環境、安全基準の違反を監視する、元Appleサプライチェーン責任チームメンバー10人にインタビューを行ったところ、Appleはビジネスの損失につながる場合サプライヤー契約の解除を避ける傾向があることがわかっています。例えば、幾度にもわたって安全勧告を無視したり、労働基準違反を続けるサプライヤー数社と、Appleはあえて契約を継続していたことがあるとのことです。
古株サプライヤーがウイグル人の強制労働に関与か
2020年の年末に、Appleの最も古いサプライヤーのうちの一社であるLens Technologyが、中国新疆ウイグル自治区内でウイグル人の強制労働を行っている、と米The Washington Postが伝えたばかりです。
Appleの広報担当者は、Lens Technologyは新疆ウイグル自治区からウイグル人の労働者の移動は行っていないことを確かめたと述べており、強制労働の事実を真っ向から否定しています。
2020年11月にはiPhoneの組み立てを行うPegatronの労働基準違反も発覚しており、Appleは新規取引を一時停止するなどの対策を講じたと伝えられました。
Source:The Information via 9to5Mac
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-337461/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania