元Uber(ウーバー)のエンジニア2人が2019年に立ち上げたスケーラブルなクラウドネイティブモニタリングツールのChronosphere(クロノスフィア)は米国1月5日、4340万ドル(約45億円)のシリーズBを発表した。同日からサービスが一般に公開されることも発表した。
2019年の1100万ドル(約11億円)のシリーズAに参加したGreylock、Lux Capital、ベンチャーキャピタリストのLee Fixel(リー・フィクセル)氏がラウンドをリードした。新しい投資家としてGeneral Atlanticも参加した。Chronosphereはこれまで5440万ドル(約56億円)を調達した。
創業者であるCEOのMartin Mao(マーチン・マオ)氏とCTOのRob Skillington(ロブ・スキリントン)氏の2人はUberでオープンソースのM3モニタリングプロジェクトを始め、同プロジェクトを基盤として2019年にChronosphereというスタートアップを立ち上げた。Aラウンドでマオ氏が筆者に語ったように、同社はオープンソースプロジェクトの実行管理の簡素化を目指した。
M3自体は実行するにはかなり複雑なテクノロジーです。非常に複雑で大規模な問題を解決しますが、実際に実行するにはかなりの投資が必要です。そのため、私たちが最初にしていることは、その管理を行うことです。
マオ氏は、同社が2020年のほとんどをプロダクトの反復とベータ版の顧客との協業に費やしたと述べ、オープンソースプロジェクト上に商用サービスを開発したことには確かにメリットがあったとつけ加えた。
「私たちは、すでにオープンソースプロジェクトの基盤を持っていることを幸運だと思っています。しかし私たちはそのテクノロジーの上にプロダクトを開発することに本当に集中したいと思っていました。また、このプロダクトを本当に差別化したいと考えました。私たちが2020年に集中していたのはほとんどそういったことです」とマオ氏は語った。
マオ氏は、まだAラウンドからの資金が残っていたため、同氏とスキリントン氏が今回の新しいラウンドでの資金調達を模索していたわけではなかったと指摘した。だが、同社の既存投資家が彼らに近づき、彼らはバランスシートに資金を追加すると決めた。その資金で会社を成長させ、従業員を引きつけ、またプロダクトと会社を発展させ続けるための十分な資金を持っていると顧客を安心させることもできる。
同社は2020年の成長にともない従業員を大幅に増やし、2019年のAラウンド時点の13人から現在は50人になった。2022年末までに倍増する計画だ。マオ氏によると、創業者らは当初から多様性のある会社を作る方法を考えていた。
「そのため、昨年から適切なリーダーと、多様性にも関心のある適切なリクルーティングチームとを確実に採用するようにしています。その後、性別と人種の多様性の両方について全社的なゴールとターゲットを設定しました。私たちはこうした具体的な目標に責任を持ち、達成度合いを管理しています」とマオ氏は語った。
同社は当初から、それも新型コロナウイルス(COVID0-19)の前からシアトル、ニューヨーク、リトアニアにオフィスを広げており、それが採用基盤の拡大に役立ってきた。マオ氏は、オフィスに戻れる時がいつ来たとしても、ほぼリモートで働き続けたいと考えているが、従業員がお互いに直接会うことができるよう各所にハブを維持している。
一般に公開されたプロダクトで同社は、顧客基盤の拡大を目指す。関心を集めるオープンソースプロジェクトとともに、同社には新しい顧客を商用のプロダクトに引き付ける実証済みの方法がある。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Chronosphere、資金調達
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(翻訳:Mizoguchi)