ピュー研究所の最新の調査によると、米国民の約3分の1が定期的にFacebook(フェイスブック)からニュースを入手している。同調査は米国における現在のメディア情勢を理解する目的で行われた。レポートの中で同研究所は、米国民の成人の約半分、53%がニュースを入手するのに「頻繁に」あるいは「時々」ソーシャルメディアを使っていると答えた、という。使用メディアは多岐におよんだが、Facebookが最上位にきた。
米国民成人の36%がニュースを入手するのに「定期的」にFacebookにアクセスしている。この数字は他のどのソーシャルメディアプラットフォームよりもかなり大きく、唯一YouTube(ユーチューブ)が23%とそこそこの割合だった。
おおよそ10人に1人かそれ以下の割合の人が他のソーシャルメディアプラットフォームから定期的にニュースを得ていると回答した。その内訳はInstagram(インスタグラム)11%、Reddit6%、Snapchat4%、LinkedIn4%、TikTok3%、WhatsApp3%、Tumblr1%、Twitch1%だ。
ニュースソースとしてこうしたサイトを使っている人の割合が低いのは、これらサイトを使っている米国人がかなり少ないという事実と大いに関係している、とピュー研究所は指摘する。
いい換えると、「トップニュースプラットフォーム」のリストは、米国人成人のうち何人がサイトでニュースを得ているかではなく、各ソーシャルメディアのユーザーのうち何人がそのプラットフォームからニュースを得ているのかを考えると、やや異なるものになる。
そうした考え方でとらえると、順番はTwitter、Facebook、Redditが上位にきて、YouTube、Instagram、TikTok、Snapchat、LinkedIn、WhatsApp、Twitchと続く。
このレポートで興味深いのは、米国民がニュースを得るのに広くソーシャルメディアを使っているにもかかわらず、大半(59%)がソーシャルメディアのニュースは「大部分は不正確だ」と考えていることだ。この数字はここ数年かなり一貫性がある。2018年の57%から上昇し、2019年は2020年と同じだった。
ソーシャルメディアユーザーの半分近くが、ソーシャルメディアでニュースを読むことは最近の出来事を理解するのにさほど役立っていないと答えた。
この結果は、ソーシャルメディアサイトそしてユーザーの関心や考え方に合わせてニュースをパーソナライズするアルゴリズムがオンライン上で人々を急進化させているというレポートや研究と矛盾するようだ。先週、その結果が丸見えになった。多くの場合、誤情報や陰謀論に何年も触れていた人々の暴徒が2020年の大統領選挙の結果をひっくり返そうとして失敗した試みの中で米議会議事堂に乱入した。
しかしながら、ピュー研究所の調査は自己申告データに基づいていることを忘れてはならない。なので、調査に参加した人がソーシャルメディアの投稿はニュースを「理解」するのに役立たないと主張したとしても、そうした人たちはそれら投稿の力と影響力を過小評価しているかもしれない。
ピュー研究所はこうした調査を定期的に行っている。たとえば同研究所は2020年、ソーシャルメディアニュースの消費者が米大統領選挙や新型コロナウイルスといった主要ニューストピックに関する事実についてあまり関心を寄せず、知識を持ち合わせていない傾向にあるという調査結果を報告した。同じ調査では、ソーシャルメディアニュースの消費者がより頻繁に陰謀論にさらされやすいことも明らかになった。
プラットフォームそのものは、基本的なファクトチェックを追加する以外、誤情報の拡散を防ぐのにさほど役立っていない。FacebookがQAnonグループを禁止するまで何年もかかったが、一掃後もまだ多くがプラットフォームに残っていた。ハッシュタグや他の暴力扇動についての似たような取り締まりの後も、「Stop the Steal(選挙を盗むのはやめろ)」の陰謀論グループはプラットフォームに残っていた。
最新のレポートはこちら。
関連記事
・米国成人の大半はニュースをソーシャルメディアに頼っていることが明らかに
・Twitterがトランプ氏に対してついに永久停止処分を下した理由を説明
・Facebookは全プラットフォームで米国の陰謀論グループQAnonを締め出しへ
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebook、SNS、ソーシャルメディア、アメリカ
画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch
[原文へ]
(翻訳:Mizoguchi)