【世界の永久定番 腕時計雑学図鑑②】
時計の世界で誰もが「傑作」「定番」と認める腕時計には、特別な技術、人を感動させる歴史、 特別な物語があります。2021年の幕開けに、歴史や技術を継承・発展させて生まれた「現代の永久定番」腕時計と、思わず人に話したくなるその腕時計の物語をお届けします。
とてつもなく高価なものから手が届くものまで、どの時計のエピソードもモノ好き、時計好き、蘊蓄(うんちく)好きの男性なら楽しんで頂けるはず。 素晴らしい18本の「時計の物語」をお楽しみください。
今回は、パテック フィリップ「グランドソヌリ6301P」を紹介します。
■衰退しかけた技術に息を吹き込んだパテック フィリップ
ケースに内蔵されている棒状のチャイムを金属のハンマーで叩いて、文字盤に表示されている時刻を美しい音で教えてくれる。これが “機械式複雑時計機構の究極” と言われるミニット・リピーター(ミニッツリピーター)機構だ。
懐中時計の時代に開発されたこの機構は19世紀末に腕時計でも実用化された。だが、クォーツ時計が開発・普及した1970年代以降、機械式時計の衰退と共にその価値が忘れられ、ほとんど生産されることもなくなり、その製造と調整の技術は絶滅寸前の状態に。
だが “世界最高の時計メーカー” を自認するパテック フィリップはこの技術の魅力と可能性を信じ、1980年代に新製品の開発に取り組み、この “時計芸術の極み” ともいえるメカニズムに新たな生命を吹き込んだ。
今回紹介するモデルは、2020年11月に発表されたばかりのその最新モデル。機能もメカニズムもデザインも、すべてが芸術的な、時計コレクター垂涎の逸品だ。
■グランドソヌリ、ジャンピングセコンド機構も備えた最新モデル
パテック フィリップ
「グランドソヌリ6301P」 (時価 受注生産)
プラチナ製ケースに同社史上最も複雑なモデル「グランドマスター・チャイム」(2014年)から派生したミニット・リピーターやグランドソヌリ、プチソヌリというチャイム機構、さらに秒針が1秒ごとにジャンプするジャンピングセコンド機構を備えた「キャリバーGS36-750PSIRM」を搭載する複雑時計。ケース径44.8mm、手巻き、非防水。
※2020年12月6日発売「GoodsPress」1.2月合併号掲載記事をもとに構成しています
<企画・執筆・編集/渋谷ヤスヒト 写真/嶋田敦之>
【関連記事】
◆“時を知る”基本を極めた「ロレックス オイスターパーペチュアルデイデイト40」
◆軍用時計の傑作、TIMEX「キャンパー」手巻き式モデルがロマンの塊すぎ
◆80年代の手巻き式時計を40〜50年代風に再現、ってややこしいけどクラシカルな雰囲気がイイ!
- Original:https://www.goodspress.jp/features/347128/
- Source:&GP
- Author:&GP