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斧やナタだけじゃない!変わり種薪割り道具3選

この時期の焚き火は、最初に多めの焚き付けが必要です。手っ取り早いのがカラカラに乾いた薪を細く割ったものなんですが、大量の薪をナタや斧で割っていくのは結構大変。慣れないと怪我の不安もあります。

なんとかならないものかと調べてみたら、ありました!

ハンマーを使うので重量はありますが、刃で指や足を傷つける不安なし。安全でラクに薪割りができると話題の道具を集めました。

 

1. 安全、軽い力で薪割りをするならコレ

ファイヤーサイド「キンドリングクラッカー」(1万6500円)

サイズ:φ19×H31cm
重量:4.8kg

ラクに焚き付け作りができる薪割り道具といったらコレ。“キンクラ”という愛称で知られる「キンドリングクラッカー」です。

大自然に包まれて暮らすニュージーランドの少女が、薪ストーブの焚き付けを作るお母さんを見て「怪我をせずに薪割りできるように」と発明した家族愛が詰まった道具。

上向きにセットされた刃に薪を当て、上から重めのハンマーで叩き割るというナタや斧と似た動作なのに、硬い薪でもとっても軽い力で割れると評判になり、今では世界各国で使われているそう。太さ14cmまで、長さ25〜50cmの薪に対応するのでキャンプ用なら困ることはなく、日本でもキャンプ場で小さな子がキンクラで薪割りをしている姿は珍しくありません。

本当に軽い力で薪割りができるか試してみました。

最初に薪が刃に食い込むまで軽く叩きます。薪がまっすぐ自立したことを確認したら薪から手を離し、手首のスナップを効かせてハンマーで叩きつけると、おもしろいように割れました。

キンクラの刃を観察すると、下側がぐっと広まった斧に似たくさび形なので薪を割く力が強いように思います。

それにキンクラの刃くらい幅広の斧を持つとなると、両手で振りかざす必要がありますが、キンクラは刃が固定されているので振りかざすのはハンマー。今回はヘッドの重さが800gの「ファイヤーサイドストライカー 800」(2530円)を使いました。鍛造ペグハンマーよりも重いけれど、それでも片手で扱えるしヘッドの重さを利用すれば自然に薪へと力が伝わります。何よりも薪に手を添えずにすむので、安心して薪を叩けるんですね。

繊維が素直な針葉樹の薪はもちろん、硬くて太い広葉樹薪もなんのその、パカッと割れるのが爽快!

一度キンクラを使うと、もっと、もっと…と薪を割りたくなるのが問題といえば問題でしょうか。

>> ファイヤーサイド

 

2. 手持ちのナタを取り付ける薪割り台

37CAMP「ハチェットスタンド」(1万1000円)

サイズ:20×14×H17cm
重量:2.6kg

かっこいいナタを買ったのはいいけれど、なんだかうまく扱えないという人に試してほしいのが「ハチェットスタンド」です。

ナタの刃を上向きにして「ハチェットスタンド」に取り付ければ、キンクラみたいに重いペグハンマーで薪割りができるという薪割り道具になります。

取り付けられるナタは刃渡り150mm以上で厚さ8mm以下、刃の幅が65mm以下のもの。これをネジで固定します。

キャンプ向きとされているナタは150mmから長くても200mmくらいまでのものが大半なので、よほど小型だったり厚い刃だったりするナタでない限りは対応できるでしょう。

ちなみに写真の赤いプレート部分は、取り付けたナタの刃にフタをするガードです。薪割り後はナタを取り外してシースにしまいますが、ナタを取り付けた後、薪を取りに行くなどほんの少しだけ「ハチェットスタンド」から離れることがあるでしょう。ほんの少しの間であっても目を離したすきに勝手に子どもが刃に触る、近くで転んで刃に触れるような事故はゼロではありません。赤いプレートはそんな事故を防ぐためのガードプレートです。

薪をナタの刃に当て、ペグハンマーや金槌で薪を叩き割ります。

重量は、ペグハンマーとナタはほぼ同じですが、ナタを振り下ろすのとは違って足を切る不安がない分、安心して叩けます。それに「ハチェットスタンド」の幅広スタンドが支えてくれるので柔らかな地面でも力が逃げにくく効率よく薪割りができるんですね。

それに、ナタで薪を極細に割ろうとすると狙いが外れることがありますが、薪を刃に当ててから叩き割るので確実に極細薪を作れます。これも利点。

使用後はナタを取り外せるので、お父さんはナタで薪割り、子どものお手伝いは「ハチェットスタンド」を使ってという風に使い分けてもいいでしょう。

「ハチェットスタンド」の高さは17cmですが、長さ30cm以上の市販の薪であっても針葉樹ならスパッと割れて途中で刃が止まることはありません。

繊維が密な広葉樹を刃に当てると、最後まで割れずに刃が止まることがありますが慌てずに。「ハチェットスタンド」を持って薪を地面に打ち付ければいいんです。

ナタに「ハチェットスタンド」の重さが加わるので片手では持てませんが、両手を使えるのでラクに薪を割れます。刃が地面に触れないのもうれしいですね。

ただし、もとがナタなので、節がある薪は苦手。無理は禁物です。

>> 37CAMP

 

3. <参考商品>薪割りくさびの進化系

TRIPATH PRODUCTS × myX「TW-KUSABI」(4290円、写真下)

サイズ:20×2cm
重量:650g

神奈川のアウトドアショップmyX別注の薪割り用くさびです。

「グルグル・ファイヤー」などユニークなメタル製品を生み出すTRIPATH PRODUCTSによるメイドイン北海道。入荷のたびに完売する幻の人気アイテムで、たまたま購入できました。

写真上のものはホームセンターにもある薪割り用くさびで、刃が止まった斧を取り出したり、斧では歯が立たない丸太にくさびを打ち込んで割ったりする道具です。1kgをゆうに超えていてずっしり重く、打ち込むためのハンマーだって2kg、3kgもある重量級を使用。

一方、「TW-KUSABI」はペグハンマーを使って薪を叩き割れるようにした薪割り用くさびで、薪に食い込みやすいよう先端が尖っていること。そして、重量は650gと半分以下に抑えられているのが特徴です。

薪に食い込むまでは、薪がグラグラすることがあるので慣れが必要。とはいえ先端が少し入ればあとはハンマーでコツコツたたくだけで、硬い薪でも割ることができました。細いペグはハンマーで打ちそこねることがありますが、「TW-KUSABI」は打撃面が広めなのもうれしいですね。

ただ、金属音が響くので、ほかのキャンパーが寝静まる時間や早朝の使用は控えたほうがいいでしょう。

斧やナタよりもすっきりしたデザインのため、ペグケースに入れても違和感なし。道具を少しでもコンパクトにまとめたいバイク移動のキャンパーにうれしい薪割り道具です。

 

<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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