KDDIは、3月にオンライン専用の料金プラン「povo(ポヴォ)」を導入する。
料金は20GBで2480円。他社が、5分間の音声通話定額をセットにして2980円を打ち出すなか、音声通話を30秒20円の従量制にして、そのぶん500円安い金額を打ち出した格好だ。
5分間の音声通話定額は、「トッピング」と名付けられたオプションでつけることが可能。この料金は500円で、条件をそろえると他社と横並びになる。
KDDIはオンライン専用の料金プラン「povo」を発表した。料金は20GBで2480円
5分間の音声通話定額は、トッピングとして別建てにした
開始時には、5分間の音声通話定額(500円)だけでなく、完全通話定額(1500円)や1GBのデータ容量(500円)、さらには200円で24時間データ通信が使い放題になるトッピングが用意される。
おもしろいのが、24時間のデータ容量無制限だ。これまでのスマホの料金は、月単位が基本。容量無制限のプランは用意されているが、24時間単位というのは珍しい。KDDIの代表取締役社長、高橋誠氏は、動画サービスを思う存分楽しみたいときに使えるトッピングとして紹介したが、テレワークで急遽外出先からビデオ会議に接続する必要がある日や、写真などを大量にアップロードしたいときなど、ビジネスにも活用できそうだ。
24時間だけデータ通信が無制限になるトッピングも用意。従来の料金プランと差別化を図る
KDDIが第一弾と評していたように、トッピングはサービス開始後も、追加していく予定だ。高橋氏は、「2時間あるドラマが見放題になったり、SNSが1日見放題になったりと、アイディアをいただきながらトッピングメニューをどんどん成長させていきたい」と語る。特定のサービスの通信をカウントから除外するゼロレーティングや、コンテンツそのものを組み合わせることも想定しているようだ。これが充実すれば、povoならではの特色になる。
トッピングは、サービス開始後も順次追加されていく予定
ただし、povoは、当初4Gのみでのスタートになり、5Gへの対応は夏以降になる。この点は、4G/5Gの両対応でスタートするドコモのahamoや、ソフトバンクのSoftBank on LINEにリードを許している点だ。5Gの対応が遅れるのは、開発に時間がかかっているため。当初、povoはauやUQ mobileに並ぶブランドとして、MVNOで参入する計画だったが、政府の要請や他社対抗の必要から、au自身で提供する方式に切り替えた。土壇場での変更になってしまい、5Gが間に合わなかったというわけだ。
当初はMVNOとして立ち上げる予定だったpovoだが、市場環境の変化を受け、auブランドのオンライン専用料金プランという位置づけになった
(文・石野純也)
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- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:Techable編集部