カーネギーメロン大学の研究チームは、新型コロナウイルスに特異的な抗体を10~12秒で検出する生体センシングデバイスを開発した。
ナノ粒子を3Dプリントすることで機能する同デバイスには、高度な材料技術および積層造形技術が応用されている。
デバイスの普及により迅速な検査による感染拡大防止のほか、ワクチン接種に対する免疫反応の定量化にも期待できそうだ。
抗体濃度が低くても検出可能
テストプラットフォームでは、ウイルスの2つの抗体(スパイクタンパク質S1領域、受容体結合ドメイン)が約5μl(マイクロリットル)の血液中に存在するかどうかを確認する。
抗体濃度が1ピコモル(0.15ng/ml)未満と、非常に低くても検出可能。電気化学反応をほぼリアルタイムでスマホのようなインターフェイスに送信し、結果を分析するようだ。
デバイス製造の際に用いられる「エアロゾルジェット3Dプリント」と呼ばれる積層造形技術が、テストプラットフォームの効率と精度を担保している。
ナノスケールでの3Dプリント技術で高精度にセンシング
抗原がコーディングされた電極は、焼結されたエアロゾル液滴を使用してナノスケールでプリントされる。これにより、粗く不規則な表面構造が生じ表面積が増加。電気化学反応が強化され、迅速で高精度な検出を可能にするとのこと。
また、抗体は抗原との結合反応が非常に選択的なため、テストのエラー率は低くなる。
同技術は汎用性があり、エボラやHIV、ジカといったウイルスの抗体検出にも活用できるとのことで、公衆衛生保全に貢献してくれそうだ。
- Original:https://techable.jp/archives/146334
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji