新型コロナウィルスの影響で、美術館でのワークショップなどの教育普及プログラムの開催は難しい状況にある。そんななか、茅ヶ崎市美術館は、オンラインで楽しむことができる教育普及プログラム「ネットで楽しむ・つくる・アート体験」を開催中。2021年1月20日~2月28日の期間、3名のクリエイターによるコンテンツを順次無料公開する。
また、教育現場においてプログラミング的思考を学ぶ授業が推奨されていることを受け、日本工業大学准教授の小林桂子氏がコンピュータを使った新たな表現とその楽しみ方や身につけ方についてコラムを執筆。コンテンツ公開と同日、計3回にわたり公開されるようだ。
3つのコンテンツ紹介
第1弾の「クリックでよむ絵本」は、1月20から公開されている。制作したのは、アニメーション作家の若見ありささん。お腹のなかの赤ちゃんに見立てた果物で赤ちゃんの大きさや重さなど感じることができるアニメ絵本だ。クリックする指先の動きによりストーリーが進むのだが、実際の絵本と違いページを戻ることができないのが特徴。赤ちゃんの成長や命の営みが後戻りしないことを表現している。
なお、高尾さんの解説付きの分かりやすいプログラミングのコード体験ページでは作品をつくるための6つの作業が楽しめるとのことだ。
第3弾は1月30日から公開予定の「クリックで奏でるオルゴール」。こちらは、アートユニットMATHRAX・エンジニアの久世祥三さんによる作品。画面の好きな場所をクリックすると、その場所に応じた音がなるというものだ。複数の場所をクリックすれば、音が連なり音楽となって聞こえてくるという。クリックする位置によって音の高さや鳴る速さを変えることも可能とのこと。
画面の背景に自分の好きな写真を取り込み、その輪郭に沿ってクリックして流れる音楽を楽しんでみるのもいいだろう。また、完成した世界にひとつの音楽をほかの人に贈ることができるのもポイントだ。
茅ヶ崎市美術館HPはこちら。
アーティスト紹介
若見ありささんは、サンドアニメーションを得意とし、NHKやベネッセなどのコーナーアニメーションを担当している。また、出産体験を描いた「Birth」シリーズは、多くの映画祭で取り上げられるなど注目を集めた。さらに、美術館や児童館などでアニメーション制作を体験できるワークショップを開催など精力的に活動している。
高尾俊介さんは、毎日コードを書く習慣を続けるデイリーコーディングの第一人者。気分や体調など人間の変動性とコンピュータの規則性を融合させプログラミングの表現の幅を拡張していく作品を生み出している。
久世祥三さんは、木や石などの自然物にデジタル技術を組みあわせ、触れると反応するインタラクティブな作品を多数制作。また、アーティストやデザイナーなどの表現のサポートとして、光や音の表現や空間演出などに使用するデバイスの制作や開発、電子工作ワークショップなども行っている。
- Original:https://techable.jp/archives/146832
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口