AppleのAirPodsシリーズなどの完全ワイヤレスステレオ(TWS: True Wireless Stereo)市場の動向を、調査会社Counterpoint Researchが発表しました。AirPodsシリーズが圧倒的なシェアを誇っていますが、100ドル未満の低・中価格製品の販売シェアが、初めて半数を超えています。
直前期比24%の伸び、2020年通年では2.2億台に
Counterpoint Researchによると、2020年第3四半期(7月〜9月)のTWS市場は、直前の第2四半期(4月〜6月)と比較して24%の伸びを記録しています。
ブラックフライデーやクリスマスのある第4四半期(10月〜12月)に需要が高まることから、2020年通年の出荷台数は、当初予測をやや上回る2億2,000万台程度になるだろう、とCounterpoint Researchは予測しています。
アジア太平洋と中国で市場拡大
地域別では、とくにアジア太平洋地域(中国以外)と中国でTWS市場が拡大しており、世界のTWS市場のうち、アジア太平洋が28%、中国が16%を占めています。
Counterpoint Researchは、モバイル端末での動画視聴の増加や、最近のスマートフォンがイヤホンジャックを廃止しイヤホンの同梱をやめている流れもTWSの成長に大きく寄与している、と分析しています。
100ドル未満モデルが初めて過半数に
価格帯別では、2020年第3四半期に、100ドル(約10,000円)未満のモデルのシェアが56%と、2019年第1四半期の調査開始以来、初めて半数を超えました。
世界的なパンデミックの影響で、消費者が手頃なモデルを選ぶ傾向が特に北米と中国で強まっているためとみられます。
AirPods、AirPods Proが他を圧倒
Counterpoint Researchは、先日のブランド別出荷台数に続き、モデル別のデータも公表しています。
ブランド別シェア29%のAppleは、モデル別では1位のAirPods、2位のAirPods Proが3位以下に大きな差をつけています。
ブランド別シェアで2位(13%)のXiaomiは4モデル、3位のSamsungは2モデルがトップ10入りしています。
価格帯による機能差が縮小
2020年第3四半期のTWS市場の特徴としてCounterpoint Researchは、市場が拡大した中で、とくに低価格・中価格帯製品の販売が拡大したことを挙げています。
その理由についてCounterpoint Researchは、パンデミックによる経済先行き不透明感に加え、以前はプレミアムモデルに限られていたノイズキャンセリングやスマートフォンとの接続しやすさといった機能が、低〜中価格帯のモデルにも広がり、価格帯による機能差が縮小したためだろう、と分析しています。
Counterpoint Researchは、この傾向はXiaomiやrealmeといった中国系ブランドの成長とあわせて、今後も続くだろう、との見通しを示しています。
Source:Counterpoint Research
Photo:Apple
(hato)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania