SpaceX(スペースX)は米国時間1月24日に実施されたTransporter-1のミッションで、1回で投入された衛星数の記録を更新した。この打ち上げは同社のライドシェア専用ミッションの最初の試みで、複数の顧客でロケットのペイロード容量を分割することでそれぞれのコストを削減しながら、完全な打ち上げの実施と必要な収益のすべてをスペースXに提供した。
今回の打ち上げには143機の衛星が含まれており、そのうち133機はペイロードを予約した他の企業からのものだった。スペースXはまた自社のStarlink衛星10機を打ち上げ、同社のブロードバンド通信ネットワークを運用するためにすでに軌道上に送られている1000機以上の衛星に加えた。先週の打ち上げ配信の中で同社は、カナダで顧客へベータ版サービスを開始し、プライベートなプレローンチテストを英国にも拡大することを明らかにした。
本日の打ち上げでは、48機のSuperDove地球観測衛星を打ち上げたPlanet Labs、36機の自社製小型IoT通信衛星を打ち上げたSwarm、8機の自社製通信衛星を追加したKeplerなどが顧客に名を連ねた。スペースXが現在実施しているライドシェアモデルは、小規模な新規宇宙開発企業やスタートアップ企業が軌道上で運用可能なコンステレーションをより早く構築するのに役立ち、Rocket Lab(ロケット・ラボ)や新規参入のVirgin Orbit(ヴァージン・オービット)のような他社の小型ペイロードランチャーを補完するものだ。
今回のスペースXの打ち上げは、Starlink衛星を極軌道に投入する初の試みでもあり、これは同社のブロードバンドサービスの継続的な拡大における重要な鍵となる。ミッションにはFalcon 9ロケットの第1段ブースターの着陸と回収の成功やブースターの5回目の使用、打ち上げ時にペイロードを保護する半分のフェアリングの両方の回収も含まれており、フェアリングは同社の回収船で大西洋の海から回収され、整備され再利用される予定だ。
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カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceX、Falcon 9
画像クレジット:SpaceX
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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)