航空機メーカーのボーイングは気候変動に対応する取り組みの一環として、2030年までに商業航空機が100%持続可能な燃料で飛行できるようにするという目標を明らかにした。
従来のジェット燃料ではなく持続可能燃料を使うことで燃料サイクルにおける二酸化炭素(CO2)排出量を80%減らすことができるという。
ブレンドから100%へ
ジェット機はCO2排出量が多い。地球温暖化が急速に進む中でCO2排出を減らすための取り組みはすでに始まっていて、ボーイングは100%持続可能燃料でのテストフライトも実施済みだ。ただし、現在は規制によって従来のジェット燃料とのブレンドの割合は50:50までと決まっている。
これをブレンドではなく100%持続可能燃料にするというのが、今回打ち出した目標だ。持続可能な燃料は非食用植物、農業・林業廃棄物、リサイクル不可能な家庭ゴミなどを原料とする。実現に向け、規制当局やエンジンメーカーなど協力しながら取り組みを進めるとしている。
完全クリーンな飛行
同社によると、100%持続可能燃料を活用することで、燃料のライフサイクルにおけるCO2排出量は最大80%減となり、将来は100%に達すると考えられている。つまり完全クリーンなフライトが可能になる。
これは航空産業全体で2005年から2050年の間にCO2排出量を半分に減らすという目標を達成するのに大きく寄与するはずだ。
自動車や船舶同様に、飛行機でも電動化の取り組みがあるが、ドローンなどの小型機はともかく大型機での完全電動化はまだ見えていない。今後開発が進めば燃料に代わってバッテリーを搭載することになるだろうが、それまでの間は持続可能燃料の採用がフライトのクリーン化を支える。
自宅と空港の行き来、そしてフライト中も完全にCO2を排出しないという地球に優しい旅が現実のものになろうとしている。
- Original:https://techable.jp/archives/146973
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi