AI技術をロボティクスに実装し社会課題の解決を進めるロビット(ROBIT)は1月27日、「プレミアムきのこ総合メーカー」の雪国まいたけにおける、まいたけカット工程の自動化技術の開発に成功し、次世代型パッケージライン開発に合意したと発表した。熟練作業員のカット技法をAI自動カットロボットが実現し、新人・中堅作業員の2~3倍の作業効率になった。
雪国まいたけでは、独自技術によって天然同様の900gを超える大きなまいたけ株を生産し、作業員がカットすることで、50gから500gまでの複数の商品ラインアップを販売。カット工程では、単に重量を合わせるだけでなく、部位によって異なる味わいや食感などを、1パックにバランスよく、かつ見栄えよくパック詰めするための独自のカット技法にこだわっているという。またこのため、自動化を進める生産工程の中でも非常に多くの人員を要しているそうだ。
まいたけ株は、形状や茎の付き方がひとつひとつ異なるため、重量精度を出すことが最難度の農作物。そのため、熟練した作業員と経験が浅い作業員では2~3倍程度の作業効率差があり、将来的な人員確保の難しさやコロナ禍において様々な配慮が必要になる中で、カット工程の自動化の早期実現は不可欠となっていた。
ロビットは2014年6月に設立し、ロボット、精密機器、関連するハードウェア・部品およびソフトウェアの設計・製造・販売を手がけている。同社は、2019年より、雪国まいたけの独自のカット技法と高レベルの重量精度を両立するAIアルゴリズムの開発、そのAIアルゴリズムを実装する自動カットロボットの開発を進行。今回、雪国まいたけ社内で最も優れた熟練作業員と同等レベルでカットすることが可能なAIアルゴリズム搭載の自動カットロボットの開発に成功した。
AI自動カットロボットは、切断したまいたけ片が重量分布が正規分布に従っており、熟練した作業員以上に、後工程に質の良いまいたけ片を提供可能なことに加え、不定形で衝撃に弱いまいたけ株を安定的に把持し、AIアルゴリズムの推論結果通りに装置を制御・補正し、狙い通りのカットを実現する機能を備えており、生産工程への早期実装を可能にする。
上記結果を踏まえ、両社は、AIアルゴリズム搭載の自動カットロボットを核に、カット工程の前後においてもAIやロボティクスの実装を目指す次世代型のパッケージングライン(カットから包装までの工程)の開発を進めることに合意した。
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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:雪国まいたけ、ロビット、日本(国・地域)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/01/27/robit-yukiguni-maitake/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa