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AIでファッショントレンドを予測し商品開発を行うFinesseが4.7億円調達、Z世代がターゲット

ファッションのトレンドの予測から、当てにならない推測による時間の無駄を省くことを目指すスタートアップFinesseが、シードとプレシードのラウンドで450万ドル(4億7000万円)のベンチャー資金を調達したと発表した。

ファウンダーでCEOのRamin Ahmari(ラミン・アーマリ)氏は「ファッション業界が毎年、途方もない無駄を出しているのは公然の秘密です」と述べた。たとえば著名なアパレルブランドのBurberry(バーバリー)は売れ残った商品を焼却するという同社の慣行に対する批判の高まりに直面している。業界全体ではおよそ1300万トンの繊維製品が廃棄物となっていると推定されている

アーマリ氏は「Finesseの目的は、これを変えることです」と語った。ファッショントレンドがファッションショーというクローズドな世界からソーシャルメディアに移行している。これにより新商品がKylie Jenner(カイリー・ジェンナー)のようなインフルエンサーが実際に着用することで人気になるケースが増えている。

「インターネット上のデータなら我々は自由にアクセスできます。以前、働いていた金融ビジネスに比べればファッション業界ははるかに予測しやすい。自然言語処理やディープラーニングなどのツールをファッションビジネスに適用するテクノロジー・スタートアップがまだ存在していなかっただけです」とアーマリ氏は述べた。

「つまりカイリー・ジェンナーがInstagramに新しいファッションの写真を投稿し、人々がそれに夢中になっているとしましょう。【略】データはカイリーの投稿だけではありません。Instagram、TikTok、Google(グーグル)トレンド全体で何が起きているかを推測できます。我々は新しいファッションがブレークする前に、次のトレンドを予測できるのです」。

画像クレジット:Finesse

Finesseは予測データをベースに新商品を開発する。アーマリ氏はCLO 3Dモデリングソフトウェアなどのツールを利用すれば「サプライチェーンの大幅な高速化」が可能だとする。Finesseはトレンドの推定から25日以内に、ユーザーが実際に商品を購入できるようにすることができると述べた。

Finessは米国時間1月27日に正式スタートしたが、すでに「ドロップマーケティング」を通じて商品販売を行っている。ユーザーはほしいアイテムに投票し、予約する。商品は数量限定だ。アーマリ氏によれば、Finesseは売れ行きが予測しやすい定番商品ではなくユニークなアイテムに重点を置いているが、需要に自信があるため商品を手頃な価格にすることができるという。事実、現在販売されている商品は8ドル(約830円)から116ドル(約1万2100円)の価格帯だ。

また多くのファッション企業と違い、アーマリ氏は、Finesseは巨大で費用のかかるデザイン部門を抱える必要がないと指摘している。ただしプロダクト担当バイスプレジデントのAndrea Knopf(アンドレア・クノップ)氏、プロダクト開発責任者のBrittany Fleck(ブリタニー・フランク)氏などのメンバーについて「彼ら自身が優秀なアーティストです」と述べた。

「本当のAIが実現しない限り(これはもちろん遠い目標です)、AIがクリエイティブになることはできない。ユーザーからのフィードバックがどうしても必要です。【略】私たちが排除したいのは、この業界で給料の安いインターン社員がこなしている重労働です。私たちは非常に効果的なテクノロジーによってInstagramなどを通じて新しいファッショントレンドを見つけています」とアーマリ氏は説明する。

アーマリ氏はまた、持続可能性とLGBTQコミュニティとの関係も重視しており(アーマリ氏自身、自分が男女の性別に区分けされることを拒むノンバイナリーだと認めている)、プロダクトはすべてユニセックスのものとしてデザインされている。Finesseは「白人高齢シスジェンダーの男性」が支配するファッションにうんざりしているZ世代の消費者をターゲットにしている。

このスタートアップの投資家には、Hoxton Ventures、MaC Venture Capital、Mango Capitalなどのベンチャーキャピタルに加えて元Twitterのエンジニアリング責任者であるAlex Roetter(アレックス・レトラー)氏、Collective HealthのCEOであるAli Diab(アリ・ディアブ)氏、Fab Fit Funの共同ファウンダーであるSam Teller(サム・テラー)氏らの個人投資家も含まれている。

MaCのマネージングパートナーMarlon Nichols(マリオン・ニコルズ)氏は声明で「Finesseは、トレンド予測から持続可能なサプライチェーンの構築に至るまで、まさにファッションの未来であると信じています。Finesseによる創造的破壊から他のファッションブランドが学ぶべきことは多いと考えており、次に何をしてくれるのか大いに期待しています」と述べている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Finesseファッションネットショッピング人工知能

画像クレジット:Finesse

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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