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ルネサス、かつてiPhone用電源チップを供給の英DIalogを買収

Renesas ルネサス Dialog
 
日本の半導体大手ルネサスエレクトロニクスは2月8日、イギリスの半導体大手Dialogを約6,157億円で買収すると発表しました。Dialogは以前、iPhoneなどの電源管理チップを供給していましたが、Appleは電源管理チップの内製化へと方針転換していました。

Dialog買収でIoTや自動車分野を強化

ルネサスエレクトロニクスは、Dialogの買収により、Dialogが強みを持つ低電力技術、Wi-Fi、Bluetoothなどのコネクティビティ技術、ワイヤレス充電技術を獲得することで製品ラインナップを拡充することで、今後の発展に期待がかかる5G、IoT、自動運転車などの分野を強化できる、と発表しています。
 
ルネサスがDialogの全株式取得による買収を2021年末までに完了する見込みと発表しており、買収総額は約49億ユーロ(約6,157億円)です。

Samsungがルネサスの買収検討との報道も

ルネサスについては先日、Samsungが買収の有力候補のひとつとして検討している、と報じられています。
 
Samsungによる買収候補には、ルネサスのほか、オランダのNXP、アメリカのTexas Instrumentsの名前も挙がっています。

iPhoneの電源管理チップを供給も、Appleは内製化

Dialogは、iPhone用の電源管理用の集積回路(PMIC)をAppleに供給する主要プロバイダでした。
 
しかし、2018年にAppleがPMICを内製化する方針をとったことで、Appleへの売上が大幅に落ち込んでいました。2019年には、Appleからのライセンス料収入を活用してAppleへの依存度を2022年までに40%以下へと減らす計画が伝えられていました。

Appleへの依存度が仇になった事例も

Appleへの依存度が高いサプライヤーは、受注が安定している期間は業績も順調ですが、Appleの方針に経営が大きく左右されるのも事実です。
 
Apple向けの液晶ディスプレイ工場に巨額投資をしたジャパンディスプレイ(JDI)は、iPhoneの主力モデルがOLEDを採用した影響もあり経営危機に陥り、2020年3月には白山工場(石川県)をAppleに売却することで基本合意しています。
 
また、GPU供給でAppleへの依存度が高かったImagination Technologiesは、AppleがGPUを内製化する方針をとったことで経営が傾き、中国政府系ファンドに買収されています
 
 
Source:ルネサスエレクトロニクス, Dialog Semiconductor via 日本経済新聞, 9to5Mac
(hato)

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