大規模に展開されたIoTデバイスの管理は、とても面倒な仕事だ。しかもそれらをIT部門が直接管理していなかったり、サードパーティシステムとの統合があちこちにある場合は、相当厄介なものとなる。そこでSecuriThingsは、それらすべてをコントロールするサービスのプラットフォームを提供する。同社はこのほどシリーズAで1400万ドル(約14億6000万円)を調達したことを発表した。
Alephがこのラウンドをリードし、既存投資家であるFirstime VCと、匿名のエンジェル数名が参加した。Crunchbaseのデータによると、同社の調達総額はこれで1700万ドル(約17億8000万円)になる。
CEOで共同創業者のRoy Dagan(ロイ・デイガン)氏によると、1つのネットワークにさまざまな種類のデバイスが接続されている場合、管理も難しい。「IoTデバイスの大規模な展開を、統一的でコスト効率の良い方法で管理できるようにする」と同氏はいう。
プラットフォームには、セキュリティカメラのようなデバイスも使うし、アクセス制御システムやビルなど建物の管理システムも利用する。管理対象デバイスの総数が、数十万になることもある。「構築したテクノロジーを管理システムと統合し、エッジデバイスに重点を置いた機能を展開します。デバイスを検索し、エッジデバイス上で実行されているさまざまな機能やエッジデバイスからの情報の取得することができます」とデイガン氏は説明する。
同社は、MicrosoftやConvergint Technologies、Johnson Controlsといった主なデバイスメーカーと提携。また空港やカジノ、大企業のキャンパスなど、さまざまな業界とも提携している。
今回の投資をリードしたAlephのゼネラルパートナーであるAaron Rosenson(アーロン・ローゼンソン)氏によると、同社は大きな組織が抱える膨大な数のデバイスの管理という難しい問題を解決する。「SecuriThingsが登場するまで、オートメーションやオーケストレーション、オブザーバビリティ(可観測性)といった大規模なエンタープライズソフトウェアのカテゴリーはあったが、IoTのために作られたものはなかった」とローゼンソン氏は声明で述べている。彼によると、SecuriThingsは顧客のためにそれらをすべてまとめているという。
SecuriThingsは2016年に創業された。同社は当初IoTのセキュリティ企業を目指していた。デバイスのセキュリティ保護には現在でも関わっている。これらのデバイスと通信する機能によってIT部門は、より優れた可視性と洞察力を得ることができ、それらを更新、管理可能になる。
同社は現在30名だが、新たな資金により2021年中には倍増する。デイガン氏は顧客数を明らかにしなかったが、SecuriThingsには受注総額が5〜7桁(数百万〜数億円)の顧客が数十社いるという。
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カテゴリー:IoT
タグ:SecuriThings、資金調達
画像クレジット:dowell/Getty Images
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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)