PodzはM13、ジャーナリストのKatie Couric(ケイティ・クーリック)氏、Paris Hilton(パリス・ヒルトン)氏などの投資家から支援を受けて、ポッドキャストの発見という問題を解決しようとしている最新のスタートアップだ。
「米国では1億人がポッドキャストを聞いていますが、勢いを増しているとはいえ、オーディオが日常生活の一部になるようなクロスオーバー行動はまだ見られません」とCEOのDoug Imbruce(ダグ・インブルース)氏は述べている。「それは、ポッドキャストを発見して消費するという体験が古いからだと考えています。まさに、1997年にウェブブラウジングしたような感覚です」。
インブルース氏の名前は長年のTechCrunch読者には馴染みがあるかもしれない。彼は以前、2010年のTechCrunch Disruptでスタートアップ戦線を制したQwikiのCEO(Cloudflareが次点の1つだった)であり、同スタートアップは数年後にYahooに買収された。
同氏も認めているように、Qwikiはオンラインメディア消費を再構築するという彼の期待には決して応えられなかったが、その「機械で作成されたメディア」のビジョンは、彼がPodzによって切り拓いていきたいと思っている未来の「一端」を垣間見せてくれたという。
このスタートアップが解決しようとしている問題は非常に単純だ。ポッドキャストは多くの場合、30分または60分以上の口語音声で構成されているため、それらを聞くするのは難しく、新しいものを発見したとしても、それは通常、口コミでの推薦や不便な検索ツールを介して行われている。
Headlinerのようなツールは、ポッドキャスターがソーシャルメディア上の短いクリップでコンテンツを宣伝することを簡単にするが、Podzはその作成プロセスを自動化し、それらのクリップをリスニング体験の中心にする。
Podzモバイルアプリでは、ユーザーは60秒のポッドキャストクリップで構成された、同社が「初の音声ニュースフィード」と呼ぶものを視聴することができる。これらのクリップは、各ポッドキャストの最高の瞬間をハイライトするように設計されており、現在ユーザーが購読しているポッドキャストよりもはるかに幅広いタイトルを簡単に試せるようになっている。それぞれのクリップは独立しているが、より深く掘り下げたい場合は、全エピソードを保存しておいて後で聞くこともできる。
これらのクリップは自動的に作成され、インブルース氏によると「Podzプラットフォームの鼓動している心臓部」は、「ポッドキャストの最も興味をそそる部分を識別する」機械学習モデルだという。このモデルは、ジャーナリストやオーディオ編集者と相談し、10万時間以上のオーディオを使って訓練された。
ここでたとえばTC Original Contentポッドキャストの最新の3つのエピソードから選ばれたクリップを見て(聞いて)みよう。「Soul」「The White Tiger」そして「Bridgerton」に対する我々のレビューだ。各クリップはまあまあ自己完結しているように思え、(より雄弁な共同ホストではなく)すべて私に焦点が当たっていたことには少し落胆したが、Podzの広報担当者は、アプリが「最高密度のスピーカーに焦点を当てるためだ」と説明してくれた。
Podzのニュースフィードは、ユーザーの興味に合わせてパーソナライズされている(そして、そう選択した場合、ユーザーがApple Podcastsでフォローしているポッドキャストや、Twitterでフォローしているアカウントを参考にすることもできる)。インブルース氏は、リスナーの行動を観察しながら、時間の経過とともに賢くなっていくはずだと述べている。
同社のチームは時間の経過とともに、ポッドキャスターのためのより多くの創造的なツールやマネタイズツールを導入していきたいと考えていると彼はつけ加えた。「作成されるオーディオの量を10倍に増やし、オーディオの収益化を100倍にすることができると実際に期待しています」とも。
インブルース氏に加えて、Podzの設立チームには、CTOのSeye Ojumu(セイエ・オジューム)氏、デザイン責任者のRasmus Zwickson(ラスマス・ズウィックソン)氏、iOSリーダーのGreg Page(グレッグ・ページ)氏がいる。同社はM13、Canaan Partners、Charge Ventures、Humbitionの他、前出のクーリック氏、ヒルトン氏(自身のポッドキャストを立ち上げる予定)、ABCのThe Trend ReporterのジャーナリストであるMara Schiavocampo(マーラ・スキアヴォカンポ)氏など、著名なエンジェル投資家からプレシード資金として250万ドル(約2億6000万円)を調達している。
「私たちはオーディオの黄金時代を生きていますが、5000人以上の聴衆に到達しているポッドキャストはわずか1%です」とM13のゼネラルパートナーであるLatif Peracha(ラティフ・ペラチャ)氏はメールで筆者に話してくれた。「Podzは既存のオーディオの視聴者を増やすことを計画していますが、本当の焦点は、クリエイターツールを活用して新しいオーディオを増やすことにあるでしょう。すでに、平均的なポッドキャストリスナーは7つのポッドキャストを購読していますが、Podzでは30近くのポッドキャストをフォローしています。初期の段階では、同社のチームはこのカテゴリで変革的な製品を構築できると楽観視しています」。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Podz、ポッドキャスト、資金調達
画像クレジット:Podz
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(文:Anthony Ha、翻訳:Aya Nakazato)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/02/11/2021-02-10-podz-launch/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha,Aya Nakazato