ソフトバンクは、シャオミ製のスマートフォン「Redmi Note 9T」を2月下旬に発売する。
同モデル最大の特徴は、その価格にある。5Gに対応しながら、本体価格はわずか1万9637円(税込み2万1600円)。番号ポータビリティ(MNP)で他社から移って新規契約すると割引を受けることができ、実質価格は1円まで下がる。5G端末がタダ同然で配られるというわけだ。
価格は約2万円だが、MNPで購入すると1円まで下がる
19年12月に参入したばかりのシャオミだが、わずか1年強で日本独自仕様のおサイフケータイに対応。モバイルSuicaやiD、QUICPayといった電子マネーを利用でき、キャッシュレス需要にこたえる。
おサイフケータイは、一度使うと手放せない機能の代表格なだけに、乗り換えのための障壁が取り除かれたと言えそうだ。
おサイフケータイに対応しており、電子マネーも利用できる
クアルコムのSnapdragonで言えば、7シリーズに相当する性能で、ゲームなどのパフォーマンスを必要とするアプリも十分動く。シャオミによると、ベンチマークでのスコアもミドルレンジ上位のモデルに相当するスコアをたたき出しているという。
チップセットにはDimensity 800Uを採用、処理能力は一般的なミドルレンジモデルより高い
メインのカメラは4800万画素。暗所にも強いのが特徴だ
2月から、ソフトバンクは4Gから5Gへの周波数転用を開始する。転用する周波数の1つには、屋内浸透がしやすい700MHz帯もあり、スタート直後とは5Gのつながりやすさが激変する可能性が高い。このタイミングに合わせ、価格の安いシャオミのRedmi Note 9Tを投入することで、5Gの普及に弾みをつけるのがソフトバンクの狙いと見ていいだろう。
一方のシャオミは、鳴り物入りで参入したものの、まだ販売実績は1年余りで、日本での認知度はまだまだ低い。スマートフォンの動向やガジェットに詳しいユーザーには知られているものの、一般のユーザーとっては“無名のメーカー”。知名度を上げていくには、ほかのメーカー以上にインパクトのある端末を投入しなければならない。
シャオミは日本市場参入から約1年で、知名度を高める必要があった
ほぼ無料で手に入る端末は、バリエーションが少なくなったこともあり、人気が高い。楽天モバイルが12月に導入した「Rakuten Hand」も、キャンペーンで実質0円を打ち出してから、販売が加速している。楽天モバイルが新料金プラン「UN-LIMIT VI」の導入を発表して以降、売れ行きがさらに伸び、本稿執筆時点では品切れが続いている。シャオミのRedmi Note 9Tも、こうしたトレンドを踏まえたモデルと言えそうだ。
(文・石野純也)
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- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:Techable編集部