平安時代に中国から伝わったとされる「表具」。今では「表装」とも呼ばれ、一般的に掛け軸・屏風・襖などを指すことばのようだ。掛け軸には、文字や絵が書かれた「本紙」とその背景のような織物「裂地」を組みあわせる「表装裂取り合せ作業」という重要な作業があり、この工程は表具師と呼ばれる職人の技術が必要だという。
そんな伝統ある工程をオンラインで体験できる画期的なサービスが一般公開された。それが、京都表具協同組合が制作した表装オンラインシミュレーター「表装裂愉しむ hyosogire.com」だ。
貴重な表装裂データーをデジタル化
公開の目的として、表具師と顧客との情報共有手段となることや、膨大な情報を蓄積するとともに簡単に探し出して活用できる仕組みを構築すること、歴史的価値のある表装裂データーを永久に保存し後世に残すことなどがあるようだ。また、機能を拡張して襖や屏風などの魅力発信の一助となることも期待されているという。
同サービスでは、オンライン上でデザインした掛け軸のブラウザ内へのURL保存、PDF保存、印刷、顧客などへのメール送信が可能となる。そうなれば、今後増加が見込まれるインターネットを利用した受注において、より視覚的でわかりやすい提案ができるだろう。
掛け軸をデザインしてみた。
タイプを選ぶと「本紙」「裂地」「軸先(下についている木)」などにアイコンが表示され、そこをクリックすればさまざまなサンプルが表示される。例えば「裂地」のアイコンをクリックした場合「色」「裂の種類」「紋様」を細かく選べ、「白地麻桐散紋金襴」などすべての裂地の名称を見ることもできた。
初心者でも本格的な表装裂のデジタルデータを使うことで、思ったよりいい作品になった気がする。
- Original:https://techable.jp/archives/148649
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口