【特集】趣味空間を作る傑作モノ
2020年はステイホーム中にオンライン飲み会を楽しむ人が急増。そこでじわじわと人気を集めたのが家飲み用の酒器だ。手軽に居酒屋気分を楽しめるだけでなくお酒の味や香りもアップ。さらに “映える”要素としても注目されている。
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種類を問わず本格的にお酒を嗜む人にとって、酒器は大事な要素。器の素材や形状が、味や香り、口当たりに影響するのはもちろん、そのお酒の歴史や世界観を知る上でも重要な手掛かりとなる。しかし、最近は別な観点からも注目を集めてるようだ。それはずばり見栄えの良さ。和食器や酒器を幅広く扱うかっぱ橋まえ田の前田店長は「ステイホームによる家飲みの増加がきっかけ」と、その背景を説明する。
「オンライン飲み会が広まるにつれて、見栄えのいい酒器を求める方が増えてきました。普通のグラスや缶で飲むのではなく、画面上でよく見える酒器を使いたいという声です。もちろん見え方だけを気にするのではなく、家でじっくり飲むようになって、器にもこだわりたいと考え始めた人も多いですね」
では初めて自分の酒器を選ぶ人はどこに注目すべきだろうか。
「普段家で使うものだから、まず自分が気に入ったデザインや形状が大事。その上で素材や形状の違いを楽しんでみるといいでしょう。口につけるものだから陶器ならザラっとした感触、ガラスならつるりとした感触でお酒の味わいも変わります」
まずは見た目で選んでも問題なし。そこから酒器の奥深い世界が見えてくるはずだ。
かっぱ橋まえ田・前田潤さん
東京・かっぱ橋道具街に店舗を構える和食器専門店の店長。和食器や酒器、包丁などを中心に多くの食器を取り扱い、飲食業のプロからの信頼も厚い。掲載商品はお店のHP(https://www.kappa-maeda.co.jp/)からも購入可能だ
■日本酒
1. 二重構造の保温徳利でお酒を好みの温度にキープ
高山寺
「鳥獣戯画 保温徳利 大」(実勢価格:4840円)
鳥獣戯画をあしらったユニークなデザインや保温の構造はオンライン飲み会で目を引いて話のネタになりそうです(前田さん)
青磁に日本最古の漫画とも言われる鳥獣戯画を転写した保温徳利。二重構造になっていて、外側の容器にお湯を半分以下まで注ぎ、内側の徳利にお酒を入れてゆっくりとセットすれば、好みの温度でお燗ができる。杯が1個付属。容量290cc
2. モダンな雰囲気が漂うトルコブルーの冷酒器セット
美濃焼
「塗分けブルー2合冷酒器ぐい呑みセット」(実勢価格:2320円)
日本酒用の酒器としては珍しい色の組み合わせ。モダンな雰囲気なので、おしゃれなインテリアにも映えそうです(前田さん)
縦に入った削ぎ目模様と鮮やかなトルコブルーが目を引く片口の冷酒器と盃2個のセット。陶磁器製なので柔らかくまろやかな味わいを楽しめる。冷酒器はたっぷりと注げる容量約360㏄。それぞれ単品での購入も可能だ。
3. 形状の違う3種の盃で口当たりや香りの違いを楽しむ
小兵窯
「味比べ一献盃/利き酒セット」(実勢価格:4670円)
飲み比べ用に作られたシンプルなデザインのため、味や香りはもちろん、色味の違いなども確かめやすい盃です(前田さん)
形状が異なる3種の盃で、日本酒を多角的に味わえるセット。形状によって香りがふわっと立ち上ったり、閉じこもったり、色味を見たりと、いろいろな楽しみ方ができる。容量は全てすりきりで約60cc。盃は単品でも購入できる。
■焼酎
4. 使うほどに愛着が湧く千代香で焼酎をじっくり味わう
美濃焼
「黒マットじょかセット」(実勢価格:3160円)
焼酎を温めてしっかり味わいたいなら、ぜひじょかを。これはベーシックな形状で容量もあり、使いやすいタイプです(前田さん)
芋焼酎の本場、鹿児島などで長く用いられてきたポピュラーな焼酎用の土瓶、じょかと平盃、敷板のセット。直火(弱火)にかけて焼酎を温めるもので、あらかじめ水で割っておくとよりまろやかに味わえる。それぞれ単品でも購入可能。
5. まろやかな味わいを楽しめる見た目も美しい錫製タンブラー
大阪錫器
「タンブラー群星」(実勢価格:1万3200円)
黒い模様が渋めな雰囲気を感じさせます。焼酎だけでなくウイスキーのロックや水割りなどにも向いています(前田さん)
焼酎のロックや水割りに向いた錫製タンブラー。表面には切子のような繊細な模様が施され、天然の漆で色付けされている、手の込んだ酒器。専用の桐箱入りでギフトにも打ってつけだ。容量はすりきりで約315cc。
■ビール
6. どんな酒にもマッチする流麗なデザインの万能グラス
バッカス
「マルチグラス ボヘミアンガラス」(実勢価格:2190円)
薄すぎず厚すぎず、持った感じと飲み口がちょうどいいグラスです。私も愛用していて、ほとんどこれを使っています(前田さん)
酒の神=バッカスにちなんだ多用途グラス。脚のないワイングラスのような形状で、表面全体にボヘミアンガラスならではの美しい模様が施されている。ワインや冷酒、焼酎にも向いている。容量はすりきりで320cc。
7. 職人が作り上げる錫製ジョッキでキンキンのビールを堪能
大阪錫器
「本錫ビアジョッキかたらい」(実勢価格:1万6500円)
ビールを注げば冷たい状態をキープでき、飲む時も錫のひやりとした感触を楽しめます。ハイボールにもお勧めです(前田さん)
味わいがまろやかになると言われる錫製のジョッキ。ドイツで見られる底がやや広がった形状で、表面に繊細な模様が施されている。容量は350ml缶を注ぐとちょうどよく収まる370ml。桐箱が付属。
※2021年2月5日発売「GoodsPress」3月号掲載記事をもとに構成しています
<取材・文/高橋智 写真/湯浅立志(Y2)>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/354308/
- Source:&GP
- Author:&GP