2017年に株式を上場したアイデンティティ管理企業のSailPoint(セイルポイント)が、米国時間2月19日、アーリーステージのSaaS管理スタートアップのIntello(インテロ)を買収することを発表した。両社は買取価格を公表していない。
SailPointは、顧客が社内で使用されているすべての SaaS ツールの場所を特定できるようにすることで、IT部門が企業の安全性を高めることができると信じている。ここで考慮されている問題は、ITの知識がなくても従業員がSaaSツールを導入するのが非常に簡単なことだ、そこにIntelloは、より高い可視性とコントロール性を与える。
実際、ここ十年ほどのうちに定着した「シャドーIT」という用語は、ITのプロの目が届く範囲外で、ソフトウェアを導入できてしまう状況を表現するためのものである。Intelloのようなツールを使えば、すべてのSaaSツールを検索して従業員を認可済みのツールに誘導することが可能になり、セキュリティのプロがみんなに利用してほしくないサービスをシャットダウンすることができる。
SailPointの製品担当上級副社長であるGrady Summers(グラディ・サマーズ)氏によれば、パンデミック中に多くの企業がリモート化したことで、シャドーIT問題はさらに深刻になっており、従業員がどのようなSaaS ツールを使用しているのかを知ることは IT部門にとってさらに困難になっているという。
「この問題によって、無秩序にSaaSが蔓延し、そうしたアプリ内に保存され共有されているために、保護されないデータが急増しています。組織内にどのようなシャドウアクセスが存在するかをほとんど把握できないために、各社のITチームは、ここ1年の間にさらに増加したサイバーリスクから保護することが、より困難になっているのです」とサマーズ氏は声明で説明している。彼は、Intelloを導入することで、無認可の利用を根絶し、企業の安全性を高めると同時に、SaaS支出もよく理解して貰えるようになると考えている。
Intelloは常に自身を、セキュリティとコンプライアンスを向上させるための手段として位置づけ、過去にはOkta(オクタ)やOnelogin(ワンログイン)などの他のアイデンティティ管理ツールと提携している。同社は2017年に創業され、Crunchbaseのデータによれば580万ドル(約6億1000万円)を調達している。その中には、2019年5月に行われた250万ドル(約2億6000万円)の拡大シード調達も含まれている。
米国時間2月18日には、別のSaaS管理ツールのTorii(トーリ)が1000万ドル(約10億6000万円)のシリーズAを発表した。SaaS管理領域における他のプレイヤーには、BetterCloud(ベタークラウド)やBlissfully(ブリスフリー)などもある。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:SailPoint、Intello、買収、SaaS
画像クレジット:Bloomberg / Getty Images
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(文:Ron Miller、翻訳:sako)