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ユーザーからの激しい批判を受けWhatsAppがプライバシー規約更新についてのアプリ内バナー公開

Facebook(フェイスブック)傘下のWhatsApp(ワッツアップ)は2021年1月、混乱したユーザーからの批判を受けて新しいプライバシー規約の適用を遅らせると発表した。ユーザーの批判は後にインドでの訴訟につながり、さまざまな国の当局が調査に乗り出す事態に発展した。WhatsAppユーザーはプライバシーに関する更新について、WhatsAppアプリがユーザーのプライベートなメッセージを含むデータをFacebookと共有しようとしていると誤解した。そして米国時間2月19日、WhatsAppは問題を修正し、懸念されるようなことではないことをはっきりとさせるために次のステップを発表した。

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WhatsAppでのプライバシー規約更新の取り扱いミスは広い範囲の困惑と誤情報につながった。実際、WhatsAppはFacebookによって買収された後の2016年からユーザーに関する一部の情報をFacebookと共有してきた

しかし批判は、Facebookが多くのユーザーの信頼を損なってきたことの確かな証だ。人々はすぐさま最悪のケースを疑い、その結果、何百万というユーザーがSignal(シグナル)やTelegram(テレグラム)といった他のメッセージアプリに流れ込んだ

抗議を受け、WhatsAppはプライバシー規約更新は実際にはアプリのオプショナルの事業者機能にフォーカスしたものだと説明しようと試みた。この機能は事業者がエンドユーザーとのメッセージのコンテンツを閲覧できるようにし、Facebook上での広告を含むマーケティングの目的でその情報の使用許可を事業者に与えるものだ。WhatsAppはまた、顧客とのチャットを管理するためにFacebookからのホスティングサービスを使用している事業者との会話に、ユーザーが気づくようにラベルをつけるとも話した。

画像クレジット:WhatsApp

大失敗から数週間が経ち、WhatsAppはユーザーのフィードバックを集め、さまざまな国の人々の懸念に耳を傾けるのに時間を費やしたと話す。同社は、WhatsAppがプライベートメッセージを読んでいないこと、会話を聞いていないこと、ユーザーのコミュニケーションがエンド・ツー・エンドで暗号化されている保証をユーザーが求めていることを把握した。ユーザーらはまた、ユーザーが誰にメッセージを送っているのかWhatsAppが記録をとらないこと、コンタクトリストをFacebookと共有しないことを知りたがっていた、とも述べた。

Facebookが最近、Facebook、Messenger、Instagramのメッセージシステムの相互運用を可能にしたことを考えると、後者の懸念は現在も有効のようだ。1つ気になるのは、似たような統合がWhatsAppにいつおよぶのかということだ。

WhatsAppは2月19日、プライバシー規約更新についてユーザーに改めて案内すると話した。混乱を引き起こした点を明確にすることを目的に1月に提供したStatusアップデートに続くものだ。

画像クレジット:WhatsApp

数週間内にWhatsAppは、ユーザーにプライバシー規約を再確認するよう尋ねる小さなアプリ内バナーの展開を開始する。ユーザーがポップアップやフルスクリーンアラートを好むことが示されたための変更だち同社はいう。

ユーザーが「レビューする」をクリックすると、WhatsAppがどのようにFacebookと協業しているかについて追加された詳細を含め、変更の詳細な概要が表示される。変更はWhatsAppの規約更新がユーザーの会話のプライバシーに影響を与えないことを強調し、オプショナルの事業者機能についての情報を繰り返している。

最終的にWhatsAppはユーザーにアプリを使い続けるためにアップデートをレビューして同意するよう、ユーザーへの通知を開始する。先の発表によると、5月15日まで新しい規約は適用しない。

画像クレジット:WhatsApp

それでもユーザーは事業者とのコミュニケーションがプライベートメッセージほど安全なものでないことは認識しておく必要がある。これは、今や1億7500万人が同アプリで事業者とやり取りしている、WhatsAppの成長中のユーザー数に影響をおよぼす、と2020年10月に同社は述べた。

変更に関する今回のブログ投稿内で、WhatsAppはライバルのメッセージアプリを批判した。ライバルアプリはWhatsAppのプライバシー規約更新をめぐる混乱に乗じて自社のアプリのプライバシーを声高に謳うことでWhatsAppから流出するユーザーを引き込んだ。

「一部の競合他社が、人々のメッセージを見ることはできないと主張してうまくやろうとしました。しかしもしそのアプリがエンド・ツー・エンドの暗号化をデフォルトで提供していなければ、そうしたアプリはユーザーのメッセージを見ることができます」とブログ投稿に書かれている。

これは特にTelegramに向けられたコメントのようだ。Telegramはしばしば「よりプライベートな選択肢として厳重に暗号化されたメッセージアプリ」と自らを謳っている。しかしWhatsAppとSignalはエンド・ツー・エンドの暗号化をデフォルトで提供しているが、Telegramはそうではない。Telegramはユーザーからサーバーへの接続を保護する「トランスポートレイヤー」を使っている、とWiredの1月の記事にサイバーセキュリティの専門家の話が紹介されている。その代わり、ユーザーが1対1のチャットをエンド・ツー・エンドの暗号化による体験にしたければ、ユーザーは「シークレットチャット」機能を使うことができる(この機能はグループチャットでは使えない)。

加えて、WhatsAppはユーザーに関する限定されたデータを持っているためにさほど安全ではないという特徴づけに対しても反論した。

「他のアプリは、WhatsAppよりも情報を持っていないから優れているといっています。たとえWhatsAppが限定されたデータを持っている必要があるとしても、人々は信頼でき、安全なアプリを求めていると信じています」とブログにはある。そして「当社は決断について思慮深くありたいと考えていて、より多くではなく、少ない情報でこうした責任に沿う新しい方法を開発し続けます」と記した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:WhatsAppプライバシー

画像クレジット:Thomas Trutschel / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

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