先週末に私の受信箱に飛び込んできたプレスリリースは「10年が経ち、TransferWise(トランスファーワイズ)は、Wise(ワイズ)になりました」と叫んでいた。最近未公開市場で50億ドル(約5282億5000万円)の評価を受けたこのフィンテック大手は、IPOに先立ち、リブランディングを行っている。
もちろん、同社は実際には上場には言及していない、規制上の理由から、公表を望んでいたとしてもおそらくそれが許されないのだ。だが名前の変更はより合理的なティッカーの役に立つ。それだけでなく、新しい名前はより広い意味で10年の歴史を持つ同社が、B2Cの国際送金だけではなく、今や「国境を越えた決済ネットワーク」と呼ばれるものを構築しようとしている動きを反映している。
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「2011年に個人向けの送金サービスとしてスタートした我が社は、国境を越えた決済ネットワークを構築するまでに拡大し、1000万人の個人ならびに法人顧客のみなさまに対して、より安く、より速く、より快適に国際的な銀行業務をご提供できるよう支援を行っています」とTransferWiseは説明している。
10年の年月が過ぎた同社の、初期の資金調達時の資料はここで見ることができる。今や同社は、毎月45億ポンド(約6660億円)の国際取引を行っており、旧来の銀行を利用した場合と比較して、年間約10億ポンド(約1481億円)の顧客の手数料削減に貢献していると主張している。
これまで銀行のフルライセンスの申請は予定していないと主張していたWiseだが、最近では、独自のデビットカードをはじめとするマルチカレンシー銀行口座のような消費者向け / ビジネス向け商品を発売していて、あたかもチャレンジャー銀行のような雰囲気を醸し出し始めている。
現在の製品ラインは以下のようなものとなっている。
Wise:世界で最も国際的なアカウントを達成している。国際的な送金や支払いを行い、55種類の通貨でお金を保持し、10種類の通貨で本当の口座番号を取得できる。顧客は現在、30億ポンド(約4440億円)以上をWiseに保持し、140万枚のデビットカードが発行されている。
Wise Business(ワイズ・ビジネス):グローバルに展開するためのビジネスアカウントであり、個人アカウントのすべての機能に加えて、銀行フィード、大金の支払い、マルチユーザーアクセスなどの追加機能を備えている。過去12カ月間に15万社以上の企業がWiseに参加している。
Wise Platform(ワイズ・プラットフォーム):Monzo(モンゾ)、GoCardless(ゴーカードレス)、Xeroといったプラットフォーム銀行や企業が、Wiseのインフラストラクチャを利用して、彼らの顧客に対してより安く、より迅速な支払いや国際的な銀行機能を顧客に提供している。Wise Platformは、4大陸10カ国の銀行と提携している。
Wiseの最高経営責任者(CEO)で共同創業者のKristo Käärmann(クリスト・カーマン)氏の言葉を引用しよう。「今回、ようやく私たちの名前が、私たちがすでにお取引をしていただいている方々、すなわちマルチカレンシーを使っている方々や企業の方々に見合ったものとなりました。私たちのお客様のコミュニティにはすでに銀行機能も含まれているのです。私たちは単なる送金以上の課題を解決するために進化してきましたが、Wiseを利用する上での核となる体験は何よりも速く、安く、便利であることに変わりはありません。私たちの使命は変わりません。私たちは今でも、そしてこれからも、国境を越えてお金を働かせるようにします」。
顧客はすでに、新しいウェブサイトであるWise.comにオプトインすることができる。「すべての顧客を対象としたWiseブランドへの最終的な切り替えは、2021年3月に行われます」と同社は述べている。
カテゴリー:フィンテック
タグ:Wise、IPO
画像クレジット:TransferWise / Wise
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(文:Steve O’Hear、翻訳:sako)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/02/22/2021-02-21-wise/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Steve O'Hear