世界中のどこにいても仕事ができるようになった時代。凸版印刷株式会社は、さらに次の時代を見据えたソリューションを打ち出した。同社は、バーチャルとリアルを融合した新しい働き方を支援するサービス「IoA Work™(ワーク)」の試験提供を行っている。
リアルとデジタルを行き来する働き方
「IoA Work™」は、凸版印刷が持つ「IoA仮想テレポーテーション」技術を用いることで、ユーザーがリアル空間とデジタル空間を自由に選択し、新しいリモートワークの環境を提供するサービスだ。
新型コロナウィルス感染の拡大防止のため、リモートワークやステイホームが進むなか、「オフィスのない職場」が増えつつある昨今。テレワークゆえにコミュニケーション不足や、生産性の低下、Web会議が多いことから周囲への音漏れや雑音による不快感など、新たな課題が発生している。
このような課題に対して「IoA Work™」は開発された。その特徴は、リアルなオフィス空間では「分身ロボット」を遠隔操作し、一方で、デジタルのオフィス空間では「バーチャルアバター」を使用するというもの。これにより、ユーザーの抱えるさまざまな制約(時間・距離・性別・年齢)に捉われない働き方を実現する。
リアルと見紛うデジタルオフィス
「IoA Work™」では、遠隔地のショールームやオフィスに設置されている分身ロボットを、5G通信でリアルタイムに接続。ユーザーが遠隔地にいても自由にリアルのオフィス空間に出入りできるため、テレワークで不足しがちな円滑なコミュニケーションのサポートが可能だ。
また、これまで凸版印刷が培ってきた技術により、オフィス空間や家具などを正確にバーチャル空間上に再現。リアルと見紛うほどのデジタルオフィス空間で、バーチャルアバター同士による円滑なリモートワーク・コミュニケーションが可能になる。
例えば、発売前の商品レビューは、リアル空間で分身ロボットを活用し実物を確認。一方で、ブレーンストーミングなどのアイデアの出し合いなどは、デジタル空間でバーチャルアバター同士で行う、などの活用が考えられるという。
今後同社は、オンラインとオフラインをシームレスにつなぐ、新しいオフィス空間の構築を支援する「IoA Work™」を幅広い業種や業界に導入し、2025年度までに関連受注含め約50億円の売上げを目指すという。2020年から突如として我々の身近になったリモートワークという働き方が、より円滑になりそうだ。
- Original:https://techable.jp/archives/148926
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:takeuchi