Netflix(ネットフリックス)は米国時間2月22日、自動ダウンロードを選択したユーザーに、より多くのオフラインコンテンツを提供するための新機能を発表した。この「Downloads for You」を有効にすると、Netflixの視聴履歴から測定されたユーザーの好みに基づいて、Netflixアプリがお薦めのテレビ番組や映画を、ユーザーのモバイルデバイスに自動的にダウンロードする。
初めてこの機能をオンにする際には、お薦めコンテンツをデバイスに保存するためのストレージ容量を1GB、3GB、5GBのいずれかから選択でき、ダウンロードはWi-Fiネットワークに接続されているときに行われる。コンテンツは、あなたが気に入るとNetflixが考えるお薦め作品を取り混ぜたものになる。通常、このアプリはテレビ番組の最初の数エピソードを自動的にダウンロードする。新たに見始めるには十分だろう。
またスマートフォンにダウンロードされたコンテンツを、近くにあるテレビに直接ストリーミングして映すことも可能だ。
さらに番組や映画を見た後にはデバイスからそれらを削除し、次にWi-Fiに接続した時にダウンロードするため、より多くのストレージ容量を解放することができる。
Netflixは、独自のオリジナルコンテンツに限らず、全カタログにある動画がダウンロード可能であることを強調している。ただし、ライセンスの規制によりダウンロードが制限されたタイトルもあるとのことだ。
なお、この機能は既存の「Smart Downloads(スマートダウンロード)」と呼ばれるオフラインアクセス機能を置き換えるものではなく、新たに追加されるものだ。2018年に初めて導入されてから全世界で利用できるようになったスマートダウンロードは、ユーザーがオフライン視聴のために保存したい番組や映画を選ぶことができる。
Netflixによると、Downloads for Youは2020年後半にテストが開始されていたが、今後は世界中の全ユーザーが利用できるという。まずはAndroid(アンドロイド)向けアプリから導入され、現在開発中のiOSバージョンは2021年後半に用意される見込みだ。
ダウンロードしてオフラインで視聴できる機能は、たとえば飛行機や地下鉄など、インターネットにアクセスできない交通機関で長時間移動するような人にとって価値があるだろう。また、信頼性の高い通信会社のネットワークや十分な通信速度が、いつでも確保できるとは限らない新興市場のユーザーにとっても意味があるはずだ。
テスト期間中には、米国でこの機能の使用率が高かったとNetflixは指摘する。しかし、新興市場のユースケース(Androidデバイスの利用率が高く、ネットワーク接続がしばしば信頼できない)は重要だと考えているという。特にインドやブラジル、アジア太平洋地域の国々がこのケースに当てはまる。
「Downloads for Youを導入できることに、私たちは興奮しています。この新機能を選択した人は、好みに基づいて推薦された番組や映画が、自動的に自分のデバイスにダウンロードされるのです」と、Netflixの製品イノベーション担当責任者を務めるPatrick Flemming(パトリック・フレミング)氏は声明で述べている。「私たちは、ネットワークに接続しているかどうかに関わらず、みなさんが次に気に入るシリーズや映画をより簡単に発見できるようにしたいと考えています」。
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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)