米国を拠点とする石油大手のChevron(シェブロン)は、Baseload Capitalというスウェーデンの低温地熱および熱発電プロジェクト開発業者に投資した。地熱発電への投資を加速している。
石油会社は新しい事業分野を探し出すプレッシャーにさらされている。世界が再生可能エネルギーへ大規模にシフトしつつあるためだ。地球の気温を上昇させる温室効果ガスの排出が引き起こす気候関連の災害増加を前にして、再生可能エネルギーはあらゆる産業に電力を供給している。
Chevronの投資に加わったのは、億万長者が投資するクリーンエネルギー投資会社のBreakthrough Energy Venturesと、Gullspang Invest ABというスウェーデンの投資グループだ。
Baseloadへの投資は、Chevronが地熱技術開発業者Eavorに対して行った別のコミットメントと、Breakthrough Energy Venturesが最近行ったGoogleの関連会社であるDandelion Energy(Googleの親会社のムーンショット技術開発ビジネスユニットからのスピンアウトで「X」と呼ばれる)への投資に間を置かずして続くものだ。
DandelionとEavorは石油およびガス業界の知識を活用して、ベースロードエネルギーから家庭の冷暖房に至る地熱資源の利用に取り組むスタートアップのうねりのほんの2つの例にすぎない。
他には、Fervo Energy、GreenFire Energy、Sage Geosystemsなどの企業があり、いずれも熱を発電に利用している。
Chevronがプレスリリースで述べたように、熱の力は手頃な再生可能エネルギーの形態だ。地熱資源または廃熱のいずれかから利用できる。
BaseloadとEavorへはCTV(Chevron Technology Ventures)のCore Ventureファンドから投資した。このファンドは、Chevronのコアビジネスにおいてオペレーションの強化、デジタル化、低炭素オペレーションなどの分野で効率を高めるテクノロジーを備えた企業を見つけ出す。
2社は共同で技術テストのためのパイロットプロジェクトを計画している。プロジェクト開発にあたっては日本、台湾、アイスランド、米国での現在のBaseloadのオペレーションを念頭に置いている。
取引の金銭的条件は明らかにされていない。
「8月に、主要市場における展開を加速してくれる戦略的投資家を探していると発表しました」と、Baseloadの最高経営責任者であるAlexander Helling(アレクサンダー・ヘリング)氏は述べた。「これ以上良い投資家を求めることはできなかったでしょう。Chevronは株主グループを補完し、掘削、エンジニアリング、探査などの専門知識を与えてくれます。こうした資産が、熱の力を利用する能力を高め、私たちのやり方を強化してくれるものと思われます」。
カテゴリー:EnviroTech
タグ:Chevron、地熱発電、再生可能エネルギー、投資
画像クレジット:Universal Images Group / Getty Images
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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi)