SpaceXのStarship宇宙船による月周回旅行の最初の有料予約者である前澤友作氏が、約束していた最新情報を提供した。同計画では2023年の飛行を目指しており、1週間かけて月を1周して戻ることになっている。現在、前澤氏はクルーを募集している。動画によると、乗員は10人から12人となるが、そのうち8人は一般から選ばれるという。
ミッションが発表された2018年に前澤氏は、同乗する仲間の宇宙飛行士として6名から8名のアーティストを選び、体験に基づく作品を作ってもらうためのインスピレーションを提供したい、と語っていた。しかし話は少々変わり、どのような種類でもよいので、何かしらのクリエイティビティを表現している人であればアーティストとみなされるということになった。今回の選考には2つの基準がある。1つは、宇宙に行くことにより、現在、自分が行っていることがさらに良くなること。もう1つは旅の途中で他のクルーをサポートできることだ。
前澤氏は億万長者であり、連続起業家で自らもアーティストで、本日発表した8人分も含めて旅費はすべて彼が支払う。
前澤氏は新しいサイトでクルーの選考方法を詳しく述べている。まず、日本時間3月14日までに事前登録を行う。次に書類選考が3月21日に終わり、応募者は出された宿題を日本時間3月21日までに終えなければならない。その後、オンラインでの面接があり、2021年5月下旬に最終面接とメディカルチェックが行われる。
応募用のサイトによると、これらのスケジュールは今後、変更されることもあるという。一度、チームが確定したら、2022年と2023年は訓練と準備に集中する。サイトには月をぐるっと回って帰ってくるコースは描かれたタイムラインの入った大まかなフライトプランはあるが、あまり詳しくない。
今回のクルー募集では、前澤氏と生死をともにする仲間を集めるためのものであるにも関わらず、それは無分別で極めて不気味な呼びかけになっている。彼は2020年に、旅に同行する人物を20歳以上の独身女性から選考するドキュメンタリーの出演者を募集したことがあるが、前澤氏は同月中にその募集を止めている。
一般公募で宇宙への無料の旅路を提供する試みは、意外にもこれが唯一ではない。SpaceXのDragonを利用する軌道ミッションInspiration4(すでに有人飛行の認可を受けている)は軌道ミッションで、早ければ2021年の打ち上げを目指している。
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カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceX、前澤友作
画像クレジット:dearMoon
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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hiroshi Iwatani)