2020年8月にお届けした「密かに人気「ゴルフ2」の中古車相場とコンディション」において、ゴルフ2の専門店で中古車を物色していた&GP編集長。
「無事に購入したら報告します！」と言いながら、気づけば半年も経過。もしかして購入は諦めたのでしょうか。
いえいえ。実は水面下でゴルフ2購入計画は進行していたのです。「いよいよ納車整備に入るよ」という連絡をもらったので、久しぶりにスピニングガレージに行ってきました！
■実は秋に契約を済ませていたのですが…
編集E 前回スピニングガレージにお邪魔した時は確かTシャツ姿で、汗だくで撮影していましたよ。あれからずいぶん時間が経ちましたが、何をやっていたんですか？
編集長 実は取材で訪れた時にゴルフ2を買う意思は固まっていたんだけれど、ちょうどいいのが入庫して買おうと思ったら、契約する前に売約済みになっちゃう。それを何度も繰り返していたんだよね。
編集E マジすか！ ゴルフ2、恐るべき人気ですね…。
編集長 それでも条件に合うものはちょくちょく出てきて、無事に契約。その後はパーツ探しなどをしてもらいつつ、納車整備の順番を待っていたわけ。
編集E なるほど。確か前回の取材で「契約から納車まで3カ月ほど見てほしい」という話がありましたもんね。それを聞いた時、「かなり余裕をとってスケジュールを伝えるんだな」と思ったのですが、リアルな話だったんですね。
編集長 ゴルフ2は生産終了になってから30年近く経つし、パーツによっては探すのが大変なものも出てきていると言われた。モデルによってはもっと時間がかかることもあるみたいだよ。
編集E そしていよいよ納車！ 楽しみですねえ。
編集長 それで「やっと納車整備に取りかかれる状態になった」と連絡をもらって、整備前に一度現状の車両の状態を確認してほしいと言われて、それを見に行こうと。
編集E ビフォー、アフターがしっかりわかるというのは嬉しいですね。楽しみ！
■状態をお店と一緒にチェックして整備内容を決めていく
スピニングガレージ代表田中延和さん いやあ、澤村さん。大変お待たせしました！ 納車まであと少しです。
編集E これが購入したゴルフ2ですか。珍しい色ですね。
田中さん これは1990年に出た「マディソン」という限定モデルです。走行距離は7万5000kmですね。ボディカラーやシートの生地がマディソン専用のものになっていて、中身的にはCLiやGLiと同じですね。素のゴルフを楽しみたい人にはピッタリだと思います。
編集長 僕の場合、平日は妻が乗るので“4ドア” “AT”というのが絶対条件だったからちょうどいい感じです。あとはビカビカの極上車よりも年式なりに適度にヤレているくらいのものがよかったので、その意味でもピッタリ。色も気に入りました。今回、「納車前の状態を見ませんか？」とお声がけいただきましたが、これはみなさんに話しているのですか？
田中さん はい。納車整備にはどこまで含まれるか、追加整備の希望はあるかなど実車を見ながら話せればと思っているので、お客様には必ずお声がけしています。ただ、お客様の中には「任せるよ」という方もいらっしゃるので、全てのお客様とお話をしているわけではありませんが。このクルマは前のオーナーさんがずっとうちで整備をしていたので、現状を伝えやすいですね。
編集E 編集長はヤレ感が気に入っているとのことですが、たとえば樹脂バンパーとかは色を復活させることはできるものなんですか？
田中さん 変色は紫外線による日焼けやワックスの堆積などが原因のことが多いんですね。日焼けはどうにもならないですが、ワックスならある程度は落とすことができます。
メカニック中西洋一さん では一緒にクルマを見ていきましょうか。
編集長 よろしくお願いします。自分が買ったクルマがタイヤを外してリフトに乗っているのを見るのもいいものですね。新車だとまずありえない（笑）。
中西さん リフトを上げるので気をつけてくださいね。先ほど田中からも話があったように、このクルマはうちでご購入いただいたお客様が整備もずっとうちでやっていただいていたので、コンディションは悪くないですよ。整備履歴も2016年から残っています。長いクルマだと20年近くうちで整備をやっていたものもありますよ。
編集長 20年はすごい！ クルマとお店の歴史を感じますね。
中西さん こちらが整備の内容になります。このクルマですと、まずドライブシャフトブーツが破れて中のグリスが出てきていました。このままだと車検に通らないので、ブーツを交換します。そして見ただけだとわかりませんが、タイロッドエンドにガタが出ていて、やはりこのままだと車検に通らないので交換します。この辺りの整備は車両代に含まれています。
編集長 それは助かります（笑）。
中西さん そして車検には関係ないのですが、このクルマの場合はエアコンのガスが漏れてしまうのが確定しているので、コンプレッサーを交換します。最近の夏はかなり暑いですからね。ゴルフ2のエアコンはきちんとしていればかなり利きます。他の旧車のように暑いと全然利かないということはありません。
編集E こうやってひとつずつ説明してもらえるのはうれしいですね。現状と、納車された後の状態がしっかりわかります。
田中さん 基本的に、うちのお店にやってくるゴルフ2の平均的な整備状態になるまでは車両価格内で整備するようにしているんです。
■あれ？ アンテナが前に向かって出ている
中西さん そしてここからは追加整備になります。ブレーキですが、このクルマはABSがついていないので、強くブレーキを踏むと後輪が浮き上がりロックする可能性があります。それを防止するPバルブが新車から一度も交換されていないので、予防整備のためにも交換をおすすめしたいですね。そしてブレーキのマスターシリンダーも新車から一度も交換されていませんでした。ただ、トラブルが多い部品ではなく現状はしっかり機能しているので、どうするか相談しましょう。
編集長 予防整備は悩む部分ですね。乗っていてトラブルが出てから直してもいい気もするし、一方で最初からやっておけば安心して乗れる部分でもある。
編集E よく見たら足はビルシュタインが入っているんですね。これは純正ではないですよね？
中西さん これは前のオーナーさんがリフレッシュのために入れたんです。このリフレッシュを行うと部品代と工賃でそれなりにかかりますからね。燃料ポンプやウォーターポンプなども交換済みです。
編集E お金がかかりそうなところはすでに整備済み。ラッキーじゃないですか！
編集長 前のオーナーが愛情をかけて乗っていたのが伝わってきます。整備前の状態を見せてもらうとこういう部分もわかるんですね。
編集E これは編集長もしっかり整備しながら乗らないと、前のオーナーが泣きますよ（笑）。
中西さん 次は見た目の部分になります。実はアンテナがちょっと斜めに伸びるんですよ。
編集E 本当だ、なんか違和感がありますね。
中西さん おそらく中がずれちゃっているのだと思います。機能上は問題ないですが、これはちょっと直したいなと。おそらく工賃だけでいけるかと思います。
編集長 これはぜひお願いします。
中西さん あとは電源ソケット。最近はスマホなどを充電しながら乗ることが多いですからね。このクルマは今、ドイツのDIN規格のシガーライターがついています。日本はJIS規格なので、微妙にサイズが違うんですよ。
編集長 そんなところに違いがあるのか。
中西さん そのサイズ違いが影響してやや接触が悪いんですよ。それで走行中に段差を越えたりすると電気が来なくなったりするんです。なのできちんと使うためにはJIS規格のものを増設した方がいいと思います。あとはウインドウスロットシール。経年劣化でゴムが縮んで隙間が開いてしまっているんです。
編集長 ここから水が入って雨漏りの原因になったりするのですか？
中西さん 水は入りますが、ドアの内張りの中にビニールが入っているので雨漏りは大丈夫です。ただ、見た目がよくないのと高速道路を走っている時などの風切り音の原因になりますね。
編集長 せっかくなら見た目も良くしたいから、これはぜひ交換をお願いします。納車後の整備となるといろいろな大変なこともあるので、先ほどお話いただいた部分も納車時にお願いできますか。
編集E せっかくなら最初から気持ちよく乗りたいですもんね。納車が楽しみだ！
田中さん そういう方は多いですよ。ただ、お客様の中には「変化を楽しみたい」と、ちょこちょこと段階を踏んで整備をする人もいます。
中西さん では追加整備に関しては、納車までに金額を確定させてご連絡しますね。
編集長 こうやって作業前にいろいろ説明してもらえるのはすごく安心感がありました。本当にありがとございます。
整備プランも決まり、いよいよ納車まであとわずか。納車後はこのゴルフ2をどう乗っていくか、編集長のプランをご報告します！
>> スピニングガレージ
＜取材・文／高橋 満（ブリッジマン）＞
高橋 満｜求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者／ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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