地図は都市開発の変化を分析するための強力な情報源だ。ただし地図は3D世界を2Dで表したもの。建物の高さなどの重要な空間情報が抜け落ちている。
ロシアのスコルコボ科学技術研究所(Skoltech)とイタリアの調査機関FBKによる研究チームは、地図と機械学習を使用して3D/4D都市モデルを生成する手法の有効性を示した。
同手法は、都市が現在の姿を形成するにあたっての変化とイベントの理解に役立つ。
歴史的な地図から建物の高さを推測
都市構造や建物構造、インフラデータなどを3Dデータに置き換えることで都市計画や環境評価の最適化が図れる。「3D/4D都市モデリング」と呼ばれるこのアプローチを適用するにあたって、地図は最重要情報源だ。ただし、地図には建物の高さに関する情報が織り込まれておらず、正確な空間表現や分析、シミュレーションにとっての大きな障害になっている。こうした課題を受けて研究チームは、歴史的な地図から建物の高さを推測するための機械学習ソリューションについて調査した。
同手法では、幾何学的な属性や近隣の属性、カテゴリ属性を利用して建物の高さを予測しているようだ。
多時期的で立体的な地図の再構築に成功
研究では、イタリアの都市トレントとボローニャの地図、それぞれ4つの年代のものを用いた。研究チームによる機械学習による手法を適用したところ、過去数世紀にわたる都市構造の変化を反映した、多時期的で立体的な地図を再構築できたとのこと。今回用いられた学習および予測手法は、多くの地図に有効とのことで、近い将来、同手法が高さのデータが欠落したさまざまな地図に適用される可能性がある。
参照元:Revive the map: 4D Building Reconstruction with Machine Learning/ Skoltech
4D Building Reconstruction with Machine Learning and Historical Maps/ MDPI
- Original:https://techable.jp/archives/149741
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji