数年前に都市部を席巻したレンタル電動スクーターの普及は、Populus AI(ポピュラスAI)の設立を後押しした。現在では、宅配需要の急増とそれにともなう縁石スペースの圧迫が、この交通データを扱うスタートアップ企業の新たな資本獲得と、より多くの都市へ向けた拡大に貢献している。
2017年にサンフランシスコで設立されたスタートアップのPopulusは、既存の支援者であるPrecursor(プリカーサー)、Relay Ventures(リレー・ベンチャーズ)、Ulu Ventures(ウル・ベンチャーズ)に加え、新たな投資家であるStorm Ventures(ストーム・ベンチャーズ)と、委託製造・部品供給会社のMagna(マグナ)から、500万ドル(約5億4500万円)を調達した。これまでに同社が調達した資金は900万ドル(約9億8000万円)近くになる。
Populusはこの資金を使ってより多くの都市に進出し、道路や縁石の管理に対する需要に支えられた同社の発展をさらに拡大していく予定だ。Populusは現在、オークランド、サンディエゴ、テルアビブなど、80以上の都市と契約を結んでおり、25以上のマイクロモビリティ事業者と提携している。同社共同創業者でCEOを務めるRegina Clewlow(レジーナ・クルーロー)氏によれば、今後18カ月間で契約都市数を3倍に増やすことを目指しているという。
Populusのプラットフォームは、双方向に機能するSoftware-as-a-Service(サービスとしてのソフトウェア)製品だ。同社は電動自転車、スクーター、モペッド、カーシェアリングの車両からデータを収集し、その情報を都市に提供することで、都市計画部や規制当局が道路や縁石の使用状況を理解し、管理する仕事を支援する。都市はPopulusのAPIを利用して、自動車の通行制限、スクーターが利用可能な駐輪場、自転車レーンの情報など、道路の規則を地図プラットフォームなどのサードパーティと共有することができる。
Storm Venturesのパートナーであり、BLCK VCの創設者であるFrederik Groce(フレデリック・グロース)氏は、声明で次のように述べている。「近年、特に交通機関の接続と自動化が進む中で、都市にソフトウェアを提供するベンチャー企業が大きく成長しています。Populusは、都市のデジタル変革をサポートするマーケットリーダーとして、独自の地位を確立しています」。
2020年、Populusはそのプラットフォームにストリートマネージャーを追加し、自転車や歩行者を優先するスローストリートやシェアードストリート、屋外での食事に指定されたエリア、工事による通行止めなど、都市が新たな施策を伝達できるようにした。
同じく2020年追加された縁石管理機能が、2021年の成長の主な原動力になるだろうと、クルーロー氏は述べている。都市はそのデータを利用して、例えば縁石のスペースに動的な値づけが可能になる。
「多くの都市が当社のデジタル技術を本当に利用したいと考えているのは、配送を含む商用フリートの管理です」とクルーロー氏は述べている。縁石のスペースは、定期的に運行する車両と一時的に通行する車両の両方に利用されており、これらのエリアは今日発生している大量の配送に対応できるようには設計されていないと彼女はいう。
「都市では配送ブームが続いていますが、これは新型コロナウイルス感染流行以前からの傾向であり、ウイルス感染流行期間中に明らかに加速しました」と、同氏は述べている。「商業配送車が使用するスペースの管理は、都市にとって切実な問題となっています」。
カテゴリー:モビリティ
タグ:Populus、電動自転車、資金調達
画像クレジット:Populus
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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)