今回のパンデミックを乗り切る中で、企業にはトレンドを再考し、加速する必要が生まれている。そのようなトレンドの1つが、各部門のユーザーがエンジニアリングの支援なしで、アプリやワークフローを作成できるようにするノーコードツールへの移行だ。その要求に応えるために、ServiceNow(サービスナウ)が米国時間3月11日、最新リリースの一部として、いくつかの新ツールをリリースした。
ServiceNowのチーフイノベーションオフィサーであるDave Wright(デイブ・ライト)氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、多くのチームが分散して作業することを余儀なくされ、その結果、ソフトウェア構築をすべての従業員の手に委ねるというアイデアへと進んだのだと語る。
ライト氏は「このような状況なので、みなさんはこれまでと同じサポートネットワークを持っておらず、分散しているので、普通の人が簡単に使えるレベルのソフトウェアを作成できるようにする必要があります。そして、それを実現できれば、みなさんにシステムを使用してもらうことができます。みなさんにシステムを使用してもらうことで、従業員の方々の生産性とエンゲージメントが向上し始めるのです」と説明する。
この話は、これまでは特にServiceNowプラットフォームが重点を置いている3つの主要な領域(カスタマーサービス、IT、HR)を中心に展開されてきたが、これら3つのカテゴリから踏み出すために、同社は従業員が自分のニーズに合った新しいワークフローを構築するのを支援できるCreator Workflows(クリエイター・ワークフローズ)と呼ばれる新しい分野を開発することを決定した。
同社はこのCreatorを支えるために、AppEngine Studio (アップエンジンスタジオ)とAppEngine Templates(アップエンジンテンプレート)という2つの新しいツールを開発した。これらは、組織全体で人びとが作業する場所を問わず、ノーコードワークフローの構築を支援するために連携して働くものだ。
AppEngine Studioは、ユーザーが自分にとって役立つワークフローを構築するために、必要なコンポーネントをドラッグアンドドロップすることができるメインの開発環境を提供する。AppEngine Templatesは、いくつかの共通タスクのフレームワークを提供することによって、その使いやすさをさらに一歩進める。
今回の新しいリリースには最近買収したLoom Systems(ルーム・システム)とAttivio(アティビオ)の製品も取り込まれている、同社はAttivioを取り込んで、AI Search(AIサーチ)という名のプラットフォーム全体の検索ツールとして再利用している。
「これにより、状況に応じた、普通の人が使いやすい結果を提供することができます。つまり、検索から得られた結果をパーソナライズして、より関連性が高く、実用上価値の高い情報に的を絞った結果を提供できるようになるのです」と彼は述べている。
彼らが買収したもう1つの企業であるLoom Systemsは、ServiceNowにAIOps(AIオプス)コンポーネントと、それを用いてプラットフォーム全体にAIを注入する能力を提供する。買収前にはLoomのCEOで共同創業者だったGab Menachem(ガブ・メナヘム)氏は、ServiceNowの一部になるプロセスは順調に進んでいるという。
「この分野のベンダーは、気がつくとお客様に科学プロジェクトを提供しているような気がします。ServiceNowにおける、2021年の焦点は(Loomを)ワークフローに組み込み、ワークフローを自然なものにすることでした。これにより、働く人たちの生産性が向上し、エンゲージメントが高くなるでしょう。それこそが私たちが焦点を当てていることで、それは私たちのすべてのお客様にとても喜んで貰えましたので、大企業への移行は本当に良いことだったと思います」とメナヘム氏はいう。
この新しいツールは、すでに利用可能だ。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:ServiceNow、ノーコード、人工知能
画像クレジット:Andrei Stanescu / Getty Images
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(文:Ron Miller、翻訳:sako)