アラバマ州ベッセマーにあるAmazon(アマゾン)の物流倉庫で働く従業員たちは、すでにBernie Sanders(バーニー・サンダース)上院議員からJoe Biden(ジョー・バイデン)米大統領まで、民主党の政治家たちから公に支持されている。後者は2020年末には「今まででもっとも労組寄りの大統領になる」と約束していた。そして今、多くの労働者が組合結成を目指す中、チームは意外なところから政治的支持を得た。
米国時間3月12日、共和党のMarco Rubio(マルコ・ルビオ)上院議員はUSA Today紙に寄稿した論説で「労働組合の無制限な影響力がもたらす危険性」はあるものの、労働者たちを支持すると述べた。フロリダ州選出の上院議員であるルビオ氏は、歴史的に共和党は経営者側に味方する傾向があることを指摘しつつ「保守派がビジネス界に当然視される時代は終わった」と付け加えている。
この記事は、伝統的に左派と同盟してきた労働組合を全面的に支持するというには程遠いものだ。ルビオ氏は冒頭で、労働組合と経営者の対立は「労働者にとっても、国の経済的競争力にとっても間違っている」と述べ若干の含みを持たせた上で「独特の悪質な企業行動」を挙げている。
ルビオ氏はこう書いている。
これが私の基準です。働く米国人と、リーダーが労働者階級の価値観に対して文化戦争をしかけようと決めた会社との間で対立が生じた場合、選択は容易です。私は労働者を支持します。ですから私は今日、Amazonのベッセマー倉庫にいる人たちを支持するのです。
同記事は、Amazonの職場環境に対する長年の不満だけでなく、文化戦争に関する共和党の不平も取り上げている。「今日は職場環境かもしれませんが、明日は、経営者が今はやりの『ウォークな(woke、人種差別などの社会的不公正の問題に高い意識を持つこと)』人事を労働者に受け入れさせる要求かもしれません」と同氏は述べた。
政治と労使関係は、奇妙な同志をもたらすようだ。オーガナイザーは左派であることが多いが、組合の目的は(実際にはどうであれ)、政治的立場に関係なく労働条件を守ることだ。
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Cori Bush(コリ・ブッシュ)下院議員、Jamaal Bowman(ジャマール・ボウマン)下院議員、Andy Levin(アンディ・レビン)下院議員、Terri Sewell(テリ・シーウェル)下院議員 、Nikema Williams(ニケマ・ウィリアムス)など、多くの議員がアラバマ州を訪れ、同倉庫の従業員への支持を表明している。約6000人を雇用している同倉庫の従業員は、2月7日に郵便による投票を開始した。投票は2021 年3月末に終了する。
究極のところ企業に圧力をかける上で、知名度の高い政治家の支持は労働者にとってプラスになるかもしれない。しかし、このようなコメントを鵜呑みにしてはいけないと、組合オーガナイザーは釘を刺すこともある。
ニューヨーク大学(NYU)フェローのClarissa Redwine(クラリサ・レッドウィン)氏は、先日TechCrunchのパネルセッションでバイデン氏の支持について聞かれこう述べた。「何よりもまず、権力者がいうことは重要ではないと覚えておくことが大切です。あなたが持っているすべての力は、トップにいる人たちが与えてくれるものではありません。隣にいる人々と腕を組み団結して、その力や影響力を自分のものにすることで得られるのです」。
【更新】小売・卸売・百貨店労組(Retail, Wholesale and Department Store Union、RWDSU)のStuart Appelbaum(スチュアート・アペルバウム)会長は、TechCrunchに次のようなコメントを送った。「我々はあらゆる方面からの支持を歓迎します。ルビオ上院議員の支持は、働く人々が職場で尊厳と敬意を得るための最良の方法は、組合結成であることを示しています。これは党派的な問題であってはなりません」。
カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Amazon、労働組合
画像クレジット:Scott R. Galvin / AP
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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)