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自動運転開発のCruiseが同業Voyageを買収、ロボタクシー商業化へ前進

Udacity(ユーダシティ)のスピンアウトで自動運転車開発のスタートアップVoyage(ヴォヤージュ)がCruise(クルーズ)に買収された。発生期にある産業における統合が続いていることを示す取引だ。

金銭的条件は開示されなかった。Voyageの総勢60人のチームはCruiseに加わり、Voyageの共同創業者でCEOのOliver Cameron(オリーバー・キャメロン)氏はプロダクト担当副社長に就任する。Stellantisと呼ばれるVoyageのFCAとの提携はCruiseによる買収がクローズすれば解消となる。

2017年創業のVoyageは、CruiseやArgo AI(アルゴエーアイ)、Waymo(ウェイモ)、Aurora(オーロラ)といった資金潤沢な企業に比べると零細だった。しかしその規模、そしてわずか5200万ドル(約56億7400万円)の資金調達にもかかわらず、キャメロン氏はVoyageを際立たせた。同社は2つの高齢者居住コミュニティでの事業展開でよく知られている。Voyageはカリフォルニア州サンノゼの4000人が暮らす退職者居住地域と、フロリダの12万5000人が暮らす広さ40平方マイル(約103平方キロメートル)の高齢者居住地域The Villagesでテストを行い、乗車を提供した。

「Voyageのアプローチは、移動のための足を最も必要とする人、つまり高齢者にモビリティを戻すプロダクトを提供するために当社の限られたリソースを活用するというものでした。この目標に向けて当社は大きく前進しました。コミュニティ周辺で数えきれない高齢者(最高齢者は92歳!)に移動手段を提供しました」とキャメロン氏は買収を発表するブログに書いた。「いまCruiseで我々は、ゆくゆくは高齢者だけでなく自動運転サービスの恩恵を受けるあらゆる年齢層の人々にサービスを提供するための十分なリソースを持つことに興奮しています」。

Voyageは2つの高齢者居住地域での事業からすぐさま撤退したりはしない。しかしながらCruiseは、同社が注力しているのはサンフランシスコでの商業事業であることをTecCrunchに繰り返し述べた。Cruiseはタイムラインを示さなかったが、テストや高齢者居住コミュニティでの事業展開はいずれ終了を余儀なくされる。

プロダクト担当副社長というキャメロン氏の役割は、Cruiseがサンフランシスコで商業ロボタクシーサービスを立ち上げる計画に近づいていることの表れだ。Cruiseはハードウェア、ソフトウェア両方のエンジニアを数百人雇ったが、ロボタクシーユーザーの忠実な基盤を構築するのに顧客を獲得する必要がある。キャメロン氏は新たな役割でCruisの自動運転サービスのために顧客との接点をじっくりと考えることになる。

同氏は米国時間3月15日朝のツイートで、CruiseとVoyageの合体を「すばらしい結婚」と表現した。Cruiseが「最も高度な自動運転テクノロジー、ユニークな自動車企業パートナー、初の専用自動運転者を持っている」と指摘した。「Voyageと当社の顧客サービス第一のチームで、我々はともに革新的な自動運転プロダクトを提供します」。

Cruiseは車両開発を進めるための資金を持っている。2021年初め、同社は新規ラウンドで20億ドル(約2180億円)を調達して評価額は300億ドル(約3兆2740億円)となり、投資家ならびにパートナーとしてMicrosoft(マイクロソフト)が加わったと明らかにした。Cruiseがテクノロジー商業展開に近づくなか、GM(ゼネラル・モーターズ)とホンダ、他の機関投資家もさらに資金をCruiseに注入した。

関連記事:GM傘下の自動運転車Cruiseが約2000億円を調達したラウンドにマイクロソフトも参加

カテゴリー:モビリティ
タグ:CruiseVoyage買収自動運転ロボタクシー

画像クレジット:Voyage

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

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