3月17日にスタートするソフトバンクのLINEMOを皮切りに、大手キャリア3社がオンライン専用の料金プランを導入する。KDDIのpovoは3月23日、ドコモのahamoは3月26日に開始。3月中に、3社のオンライン専用プランが出そろう格好だ。
一見すると、各社ともデータ容量は20GBで料金水準も近いため、横並びのようにも思える。ただ、細かく見ていくと、条件の差があり、ユーザーによって選ぶべきプランも違ってくる。その詳細を見ていきたい。
3月17日のLINEMOを皮切りに、大手キャリア3社がオンライン専用料金を開始する
povoとLINEMOの通話料は30秒20円。オプション(povoはトッピング)として音声通話定額を提供しており、5分間までの場合の料金は500円。これを足すと、povo、LINEMOはともに2980円になり、金額でahamoを上回る。280円の差だが、音声通話定額が必要という人にとっては、ahamoが有利だ。
ahamoは発表当初から価格を下げ、2700円で20GBのデータ通信と1回5分までの音声通話定額が利用可能になった
povoには、24時間限定でデータ通信が使い放題になるトッピングが用意される。料金は24時間200円
写真のLINEMOやpovoは、サービス開始当初からeSIMに対応する
逆に、ahamoはオススメのスマホとして、「Xperia 1 II」「Galaxy S20 5G」「iPhone 11」の3機種を販売する。これら3機種はドコモが取り扱ってきたものだが、価格が大きく抑えられておりリーズナブル。ahamoへのプラン変更やキャリア変更と同時に、端末の買い替えを考えている人には、いい選択肢と言えそうだ。ドコモで販売されている端末も利用でき、6月からはオンラインショップでの機種変更にも対応する予定だ。povoとLINEMOは、自分で別途端末を用意する必要がある。
ahamoのみ、端末が販売される。ドコモから購入するより、価格も抑えられている
ただし、3社ともサービスを削ってコストダウンを図っているため、思わぬ落とし穴もある。例えば、ネットワーク側で電話をかけてきた相手の音声を保存する留守番電話サービスや、かかってきた電話を別の番号に転送する転送電話サービスはその1つだ。こうしたサービスは、ahamo、povo、LINEMOの3サービスで提供されない。また、Apple Watchを主回線に紐づけ、同時に着信する機能にも非対応になる。
キャリア決済の一部に非対応な点も、注意が必要になる。例えばahamoでは、d払いは利用できる一方、「spモードコンテンツ決済サービス」が非対応。auのpovoでは、auかんたん決済は利用できるが、LINEMOにもキャリア決済は用意されていない。20GBで2480円、2700円という料金は確かに安いが、サービス面ではトレードオフになることは忘れないでおきたい。特に、“当たり前”になりすぎているサービスは、なくなることに気づきづらい。料金変更前に、本当に必要がないかどうかは、今一度確認しておいたほうがいいだろう。
(文・石野純也)
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- Author:Techable編集部