データの偏りを取り除いて分析する、系統的文献レビューやメタアナリシスでは、膨大な量の研究結果をスクリーニングする必要がある。このプロセスは手間と時間がかかるだけでなく、関連研究を除外してしまうリスクが伴う。
こうした課題からユトレヒト大学の研究者らは、文献のスクリーニングを大幅に効率化できる機械学習フレームワーク「ASReview」を開発した。
テキストの表現から関連性の高い文献を予測
系統的文献レビューやメタアナリシスにおいては、まず複数のデータベースにて包括的な検索が実施され、トピックに関連する可能性のある文献を取得。複数人の研究者によって内容が精査され、事前設定の基準に基づいたスクリーニングが行われる。
特にタイトルと要約を確認してのスクリーニングのプロセスで、関連研究を除外してしまうリスクが発生するようだ。また新型コロナや機械学習といった急速に成長する分野では、文献増加のスピードがレビューのスピードよりも速くなり、適切な手動レビューが不可能になる。
ASReviewでは、取得した文献のタイトルと要約を含むメタデータを利用してアクティブラーニング実施。ASReviewによる関連性の予測とユーザーによるラベル付けを繰り返すことで、より関連性の高い文献が絞り込まれる。
オープンソースの文献スクリーニングツール
研究者らによるシミュレーションにて、ASReviewが手動レビューよりもはるかに効率的なスクリーニングが可能なことが示された。
同様の目的で利用できるツールはこれまでにもあったが、ASReviewでは透明性と柔軟性がより高くなっているとのこと。
オープンソースのASReviewは、研究者やジャーナリストなどが無料でダウンロードして利用できる。
参照元:An open source machine learning framework for efficient and transparent systematic reviews/ nature
- Original:https://techable.jp/archives/150436
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji