約4年ほど前に米国オレゴン州ベンドで設立されたDutchie(ダッチー)は、大麻薬局に月額料金でウェブサイトの作成と運営、注文の処理、受け取り準備が必要な物の追跡などのサービスを提供している。同社は先日、シリーズCラウンドで2億ドル(約218億円)の資金を調達し、評価額は17億ドル(約1860億円)に達した。これは2020年8月にシリーズBで3500万ドル(約38億円)の資金調達を行った際の評価額の約8倍にあたる。実際、2億ドルという金額は2020年の夏に出資者が考えていた評価額とまったく同じだ。
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なぜこのように短期間で大幅に成長したのだろうか?スタートアップ投資における一般的な熱気に加え、DutchieはGreenbits(グリーンビッツ)とLeaflogix(リーフロジックス)という2つの企業を買収したばかりであり、これによりDutchieは顧客のためのオールインワン技術プラットフォームをさらに強化することができる。Dutchieは、この2社にいくら支払ったかを明らかにしていないが、この2社はそれぞれエンタープライズ・リソース・プランニングとPOSソフトウェアを手がけており、合わせて150人の従業員とともにDutchieに統合されることで、現在300人の従業員を抱える同社の規模を、実質的に倍増させることになる。
また、Dutchieはかなり強い追い風も受けている。新型コロナウイルスによるロックダウンが、多くの新規ユーザーを大麻に向かわせたことに加えて、11月の選挙ではさらに5つの州が娯楽用大麻の合法化を決定した。連邦政府は依然として大麻を違法なドラッグに分類しているため、大麻企業が商業銀行や保険にアクセスすることを拒否してきたが、以前のどの政権よりも大麻の非犯罪化に近づいているように思われる。
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Dutchieが発展していることと、規制が進展していることを受けて、我々は米国時間3月15日、同社の共同創業者でCEOを務めるRoss Lipson(ロス・リプソン)氏に、Dutchieが最終的には薬局との提携ではなく、消費者に直接販売を開始するかどうかについて話を聞いた。Dutchieから大麻が送られてくるようになり、消費者が実店舗に現金を支払う必要がなくなれば、それらの業者は必要がなくなるのではないだろうか?
だが、リプソン氏は、そうはならないと主張した。2020年、明白な原因からオンラインによる注文が急増し、バーチャルで商品を選べる手軽さに慣れた買い物客が増えたものの、リプソン氏は「長期的に見れば、これは小売ファーストのモデルです。この業界の性質は、主に植物を栽培と加工する方法により、ハイパーローカルモデルに適していますので、小売店はそのまま残り、成功し続けると思います」と語った。
それは今後、明らかになるだろう。一方でDutchieは、新製品の開発(発見・教育ツールを含む)と国際的な事業展開のために、上位の支援者からさらに2億ドルの資金を得たとリプソン氏はいう。
今回のラウンドはTiger Global Management(タイガー・グローバル・マネジメント)が主導し、Dragoneer(ドラゴニア)とDFJ Growth(DFJグロース)という大麻関連の投資を始めたばかりの2社が参加した。
Dutchieの初期に投資したCasa Verde Capital(カサ・ヴェルデ・キャピタル)、Thrive Capital(スライヴ・キャピタル)、Gron Ventures(グロン・ベンチャーズ)、スターバックスの元CEOで創業者のHoward Schultz(ハワード・シュルツ)も参加している。
この業界に対する投資家の関心が高まっている中、Dutchieが上場する可能性はあるかと尋ねると、リプソン氏は、Dutchieは今「自分たちのやるべきことに集中している」と答えた。
また、合併によってDutchieを上場させたいと考えている特別買収目的会社との話し合いについて尋ねると「現時点ではそのような話し合いに関わっていません」としながらも「ビジネスチャンスがあれば検討します。私たちは、この決断が薬局とお客様にどのような価値をもたらすかを考えます。それが価値をもたらすものであれば、私たちはその決断を下すでしょう」と、リプソン氏は語った。
カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Dutchie、資金調達、大麻
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(文:Connie Loizos、翻訳:Hirokazu Kusakabe)