NVIDIAのクラウドゲームサービス「GeForce Now」がサブスクリプションプランの変更を発表した。米国時間3月18日から、有料メンバーシップは月額9.99ドル(約1090円)、または年額99.99ドル(約1万900円)で「プライオリティ」メンバーシップという名称になる。
現在の「ファウンダー」メンバーは、サブスクリプションを継続する限りは現在の価格である月額5ドル(約545円)が維持される。サブスクリプションをやめると、その後は月額5ドルでは利用できない。
2020年にNVIDIAが初めてGeForce Nowの有料プランを導入した際、同社はユーザーに対し情報をある程度明らかにしていた。月額4.99ドル(約545円)で「ファウンダー」エディションを利用できるが、いずれかの時点でサブスクリプション価格を引き上げる意向があるとしていたのだ。ここにきてNVIDIAは方針を決め、有料サブスクリプションは月額9.99ドル(約1090円)の価値があると考えたようだ。
あまりご存じでない方のために説明すると、GeForce Nowでは近くのデータセンターにあるパワフルなゲーミングPCでゲームを始めることができる。データセンターで動作しているゲームが、自分のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、テレビにビデオストリーミングされる。iOSとiPadOSではウェブアプリを利用し、一部のAndroid TVでも動作する。コントローラーのボタンを押すとそのアクションがサーバーにリレーされて、ゲームを操作できる。数十ミリ秒で処理されるので、現時点のクラウドゲームエクスペリエンスとしては最もスムーズな部類だ。
Google StadiaやAmazon Lunaとは異なり、NVIDIAは自社のゲームストアを開設していない。GeForce Nowの利用者は、すでに自分が所有しているゲームを起動する。GeForce NowプラットフォームはSteam、Epic Games、GOG.com、Ubisoftに対応している。
ゲームパブリッシャーはGeForce Nowに登録する必要がある。つまりSteamのゲームを持っていても、すべて利用できるとは限らない。現在、GeForce Nowはリンク先のページに掲載されているおよそ800種類のゲームに対応している。
GeForce Nowは最初に無料で試用することができる。NVIDIAは無料メンバーシップを提供しており、これが無料トライアルと考えられる。まず無料のサーバーが利用できるようになるまでキューで待機しなくてはならない。これが5分か10分、15分かかることもある。
その後のセッションは1時間に制限されている。1時間プレイするとサーバーからはじかれる。ゲームを再開することはできるが、もう一度待たされる。
有料メンバーになるとゲームはほぼ瞬時に始まり、1回につき最長6時間プレイできる。6時間経過した後も、すぐに再開される。有料メンバーはRTXグラフィックスも利用できる。
仕様に関しては、NVIDIAはCPU、グラフィックカード、RAMの異なるいくつかの構成を用意している。Fortniteをプレイする場合はミッドレンジのPCでも極めて高度なグラフィックスを得られるので、最高の構成は使われないようだ。しかし「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」を起動すると、サービスは優先的にスペックの高い構成を使おうとする。
NVIDIAによれば、GeForce Nowは1000万人近くのユーザーを獲得したという。そのうちどの程度が有料サブスクリプションを利用しているかは公表されていない。
2020年にNVIDIAはデータセンターの数を倍増させた。現在はNVIDIAまたは各地のパートナーが運営するデータセンターが20カ所以上ある。NVIDIAは既存のデータセンターのキャパシティを拡張する他、アリゾナ州フェニックス、カナダのモントリオール、オーストラリアにデータセンターを新たに開設する計画だ。
ゲームをアカウントとリンクして起動しやすくしたり、積極的にゲームを事前にロードするなど、使い勝手にかかわるアップデートも実施される。
カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:NVIDIA、GeForce Now、クラウドゲーム、サブスクリプション
画像クレジット:NVIDIA
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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)