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NASAとSpaceXがStarlink衝突予防のため高度な情報共有契約を締結

NASAは、誰でも自由に、何でもかんでも宇宙に打ち上げて良いとは認めていない。国際宇宙ステーション(ISS)を含む地球軌道上の同局のアセットへの影響を確認する必要があるからだ。NASAには、いわゆるConjunction Assessment(接近評価)を中心とした一連の標準規則がある。これは基本的に、宇宙に存在する物同士が接近し、衝突の危険性が生じるか否かを判断するためのものだ。ご推察のとおり、何がいつどこを飛ぶかを審査する。

米国時間3月19日、NASAは、SpaceX(スペースエックス)との間で、通常の接近評価の内容を超える新たな契約を発表した。NASAがその使命を果たすために、どのような企業とも協働できることを認めるSpace Act Agrement(航空宇宙契約)の委託下に位置するこの高度な合意は「非弁済」とされている。つまり、契約者双方が利益を得られるため、金銭的取引は生じない。

SpaceXは、Starlink(スターリンク)という現在、最も大量の人工衛星によるコンステレーションを運用しており、その数は急速に増え続けている。またStarlinkの各衛星にはミッションの内容に応じて自律的に移動できる能力がある。そのためNASAとSpaceXは、接近を避けるために緊密な協力関係を継続する必要がある。この契約は、事実上そう物語っている。

したがって、NASAとSpaceXとの間で交わされるコミュニケーションと情報共有の方法を規定したこの合意は、これまで通常考えられていたものよりも踏み込んだ内容になっている。NASAは、計画中のミッションに関する詳細情報を事前にSpaceXに伝えなければならない。NASAのアセットがSpaceXのコンステレーションの近くを通過する可能性のある場合、SpaceXはその情報を元にStarlink衛星の自動衝突防止機能を適切にプログラムする。またNASAは、その評価能力や事故防止対策の改善でSpaceXと直接協力し合うことができる。さらに「放射輝度」、つまりStarlink衛星の反射光をより効率的に抑えるための技術的支援をNASAが提供することもできる。

一方SpaceXは、Starlink衛星が「回避行動」を取り「NASAのあらゆるアセットとの距離を保ち衝突を防止する」ように責任を持つ。SpaceXはまた、Starlink衛星が衝突防止行動を取れない間の「準備期間」の予定を提出する必要がある。これはおもに打ち上げ直後から、目標軌道に到達して稼働を開始するまでの間に多く発生する時間帯だ。

もう1つ、この合意で重要な点は、SpaceXがStarlinkを打ち上げるときは、ISSの軌道の最低高度と最高高度からそれぞれ少なくとも5kmの高度の差をつけて地球を周回するよう計画しなければならないというものがある。さらにSpaceXは、衛星の反射光を減衰させる技術の効果に関する評価結果を共有することが求められる。この問題に関するガイドラインを、NASAが調整できるようにするためだ。

合意の全内容は下記の通りだが、最も注目すべきは、SpaceXのコンステレーション衛星の数が1200基を超え、2021年中に1500基以上にまで増えることを受けて、NASAは同社を地球低軌道の良きパートナーであり住民になって欲しいという望みが明らかに見て取れる点だ。またNASAは、SpaceXに多大な信頼を寄せると同時に、その手に大きな責任を持たせたいとも考えている。そもそもNASAは、Starlinkに搭載された自律的能力が、実際に起こり得るどのような危険も回避できると述べている。NASAはこの文書を、他のコンステレーション運営企業にも転用できるように構成している。

NASA-SpaceX Starlink Agreem… by TechCrunch

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カテゴリー:宇宙
タグ:NASASpaceXStarlink

画像クレジット:SpaceX

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:金井哲夫)

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