パンデミックは明らかに私たちの仕事のやり方に影響を与え、特に営業への影響は大きかった。Salesforceは米国時間3月24日朝、Sales Cloudにいくつかのアップデートを行った。その中の1つSalesforce Meetingsは、Zoomでのミーティング用スマートオーバレイで、オンラインミーティングで見込み客と対話しているときの営業チームに情報やアドバイスを提供する。
Salesforceの執行副社長でCRMのゼネラルマネージャーであるBill Patterson(ビル・パターソン)氏によると、同社は営業チームがこのようなタイプの対話を効果的に管理し、デジタルの利点を生かせるようにしたいと、かねてから考えていたという。
「Salesforceだけでなく、現在、すべての営業組織が、営業という仕事が完全に変わってしまったという認識を持っている。すべての人が理解し、おそらく意外だと感じているのは、時間を限定されず、場所も特定しない営業のやり方が極めて有効であることだ」とパターソン氏は語る。
Salesforce Meetingsはそのためのオーバレイ情報を提供する。もっとゆっくり話した方が良いといったアドバイスを提供したり、ミーティングで決まった行動計画をToDoリストにまとめて会の終わりに出席者に配布し、その後のやり忘れがないようにしたりする。
Salesforce Meetingsはその実現のために、Salesforce全体に浸透しているインテリジェンスレイヤーであるEinsteinを利用している。特に利用しているのが、Einstein Conversation Insightsと呼ばれる新しいツールだ。デベロッパーのための機能としても提供されているもので、デベロッパーはこのツールを使って独自のソリューションを作ることもできる。
営業担当者がこのツールをお節介すぎると感じたら、各個人が情報の信頼水準を調整し表示する情報の両をコントロールすることもできる。
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パターソン氏によると、同社は現在のところZoomと協力しており、Zoomの開発チームと密接に協力して、実現するために必要なAPIとSDKを提供しているという。将来的にはWebExやMicrosoft Teamsと互換性を持たせる計画もあるという。
このアイデアはパンデミックの前から存在し、開発も進めていたが、新型コロナウイルスには人の仕事を急がせる効果があり、この機能だけでなく、本日発表されたPipeline Inspectionなどその他の機能も急ピッチで開発が進められている。それは、AIを利用して営業のパイプラインを分析する機能だ。取引の時間軸上の変化を調べて、商談前進のために指導や管理者のサポートが必要だった部分を見つける。
CRM Essentialsの創業者で主席アナリストのBrent Leary(ブレント・リアリー)氏によると、オンラインのミーティングでそんな情報を特定できるようになれば、CRMに関する考え方が変わるだろうという。
「私が関心を持ったのは、ビデオミーティングとコラボレーションの密接な統合が、今や営業で利用されていることだ。ミーティングにおける対話はCRMシステムに入ってこないから、それが自動的に捕捉できるのはすごいことだ」とリアリー氏はいう。
Salesforce Meetingsは米国時間3月24日から利用可能になり、Pipeline Inspectionは夏にリリースされる。
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画像クレジット:Salesforce
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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)