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App Store掲載の偽アプリで1億円超のビットコインが盗まれる

trezor app store 盗難
 
App Storeからダウンロードした仮想通貨アプリでビットコインを盗まれたとして、iPhoneユーザーの男性がAppleに責任を求めています。

時価総額1億円超が盗まれる

米メディアWashington Postが報じたところによると、騒動のきっかけはフィリップ・クリストドゥルさんが2020年2月、自身のiPhoneからApp Storeで「Trezor」と呼ばれるウォレットアプリをインストールしたことです。レーティングは星5で怪しい様子はなく、クリストドゥルさんは大した疑問も抱かずアプリに個人情報を入力しました。
 
しかしその数秒後、彼の財産ほぼすべてと言っても差し支えない17.1ビットコイン(盗難被害にあった当時は約6,600万円相当、3月31日午前0時時点で約1.1億円相当)が、一瞬にして消えてしまったのです。このウォレットアプリは偽物で、最初からユーザーの仮想通貨を奪う詐欺目的で作成されたものでした。
 
ハードウェアウォレットに仮想通貨を保管できるアプリとして人気を博す本物の「Trezor」は、WindowsとmacOS、Linuxのデスクトップ向けにしか提供されていません。Android向けとしては「Trezor Suite」が存在しますが、いずれのタイプもiOSバージョンはリリースされていません。つまり、少なくともクリストドゥルさんがダウンロードした時点では、App StoreにあるTrezorは100%偽物だったのです。高いレーティングもユーザーを信用させるための偽装でした。

Appleは具体的なコメント控える

本来であれば、怒りの矛先は詐欺アプリを作った犯人に向けられるはずですが、クリストドゥルさんはそれ以上にAppleに憤りを抱いたと語ります。App Storeは厳選な審査によって、安全なアプリのみが公開されているはずだからです。「彼ら(Apple)は信頼を裏切ったんだ。Appleがこの一件から逃げおおすなんて許されない」
 
Washington Postの取材に対し、Appleはスポークスマンを通じて「ユーザーの信頼が、App Storeを設立した理由の基礎となっている」と語った一方、詐欺事件については「迅速な措置を講じるとともに、同様の違反が今後起こらないよう務めていく」と述べるに留まり、具体的なコメントを控えました。Sensor Towerによると、偽物のTrezorアプリはApp StoreとGoogle Playで、それぞれ1,000回以上のダウンロードが確認されているそうです。
 
Trezorの公式も偽物のスマートフォン向けアプリには頭を悩ませており、1月にはGoogle Playに掲載されているアプリについて異例の警告を発しています。
 


 
 
Source:Washington Post via iMore,Trezor
(kihachi)

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