数週間にわたる噂の後、Xiaomi(シャオミ、小米科技)がEV(電気自動車)事業への参入を正式に認めた。中国のスマートフォンおよびIoT企業である同社は、スマートEV事業を運営するための完全子会社を設立すると、投資家に宛てた告知で中国時間3月30日に発表した。
シャオミはこの子会社に当初100億元(約1700億円)を投入する。今後10年間の投資目標は総額100億ドル(約1.1兆円)だという。シャオミの創業者兼CEOであるLei Jun(レイ・ジュン、雷軍)氏が、この新しいEV事業のCEOを兼務する。
シャオミがこれまでの多くのハードウェアデバイスと同様に、自社ブランドで自動車を販売し、生産はメーカーに委託するのかどうかは、告知からは不明だ。シャオミは以前から、ライトアセットのビジネスモデルを持つ「インターネット企業」を自称してきた。同社のゴールは、価格の安い無数のハードウェア製品を動かすサービスを販売することにより、利益の大部分を得ることだ。
シャオミの担当者によると、今回の告知以上の詳細な情報はないとのこと。
シャオミは、過熱しているEV業界に参入する最新の中国ハイテク企業だ。中国の検索エンジン大手Baidu(百度)は、2021年1月に自動車メーカーのGeely(吉利汽車集団)の協力を得てEVを製造すると発表したばかり。2020年11月には、Alibaba(アリババ)と中国の国有自動車メーカーSAIC Motor(上海汽車集団 )が手を組んでEVを生産すると発表した。配車サービス大手のDidi(ディーディー)とEVメーカーのBYD(比亜迪)も、ライドシェア用のモデルを共同設計している。
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これらのテック巨人たちは、XPeng(小鵬汽車)、Nio(上海蔚来汽車)、Li Auto(理想汽車)など、すでに複数のモデルを発表し、しばしばTeslaと比較される、より専門的なEV新興企業の数々と競合している。EVメーカーは車内エンターテインメントから自律走行まで、さまざまな機能に投資して差別化を図ろうとしている。
シャオミにとって自動車メーカーとしての明らかな強みは、広大な小売ネットワークと国際的なブランド認知度だろう。また、スマートスピーカーや空気清浄機など、同社のスマートデバイスの一部は、セールスポイントとして車に簡単に組み込める。もちろん、真のチャレンジは製造にある。携帯電話の製造に比べ、自動車産業は資本集約的で、長く複雑なサプライチェーンを必要とする。シャオミがそれを成し遂げることができるかどうか、見守っていきたい。
カテゴリー:モビリティ
タグ:Xiaomi、電気自動車、中国
画像クレジット:Zhe Ji / Contributor / Getty Images
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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)