慢性的に交通渋滞が発生する地上ではなく空を日常の移動に使おうと、世界多くの企業がバッテリーで飛ぶ小型航空機、いわゆる空飛ぶタクシーの開発を手がけている。
ドイツのスタートアップLiliumもその1社だが、これまで取り組んできたものとは少し異なるeVTOL(電動垂直離着陸機)を開発して商業運航する計画を発表した。定員7人と、タクシーというよりミニバス的なタイプだ。
2018年から密かに開発
空飛ぶタクシーはスタートアップから大手航空会社まで、さまざまな企業が競うように開発を進めていて、定員は多くても数人というものがほとんど。7人乗りというのはかなり異色だ。
Liliumの5人乗りのタイプはすでに何回もニュースになっている。しかし、7人乗りの存在を明らかにするのは今回が初めてとなる。突然感があるが、Liliumによると同社は2018年から7人乗りタイプの開発を密かに進めてきた
実際、エアフレームなどはすでにEASA(欧州航空安全機関)から認証を受けている。ただし、この認証はすぐに商業化に結びつくものではなく、現時点では2024年の商業化を目指している。
乗合ミニバスのような活用法
公開された写真を見ると、既存のタイプとかなり似通っていて、マンタ風の外観。ミニバンのように窓がいくつかあり乗客席が数列あるのがうかがえる。7人乗りということから、乗合のミニバス的に活用することが想像できる。
現時点では7人乗りeVTOLの機材の細かなスペックなどは明らかになっていないが、Liliumは高度1万フィートを時速280キロで飛行でき、航続距離は250キロ超としている。
今回の発表は、同社が特別買収目的会社との合併でナスダックに上場するというタイミングに合わせて行われた。上場で調達する資金をさらなる開発にあてる計画だ。
(文:Mizoguchi)
- Original:https://techable.jp/archives/151764
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi